アトピーとメンタルヘルスの関係
10/27/2022 10:00:03
メンタルヘルス
今日のポイント:4歳でアトピー性皮膚炎と内在化問題行動あり
これまで成人のアトピー性皮膚炎(AD)とメンタルヘルス状態の関連は明らかにされていましたが、小児に関してはメンタルヘルスに関連する研究は限られていました。今回米国・カリフォルニア大学より小児ADとメンタルヘルスに関する研究が発表されました。(JAMA Dermatology誌、2021年10月号)
小児および思春期の複数時点で、ADと内在化問題行動およびうつ症状との関連を調べました。出生から平均10.0年間(SD 2.9)追跡した児のデータを解析し、データの収集期間は1990年9月6日~2009年12月31日で、解析は2019年8月30日~2020年7月30日に行われました。
- 解析には、1万1,181例の小児が含まれました(男子5,721例[51.2%])。
- 期間中のうつ症状有病率は、6.0~21.6%、内在化問題行動は10.4~16.0%でした。
- 軽症~中等症ADは、うつ症状との関連は認められませんでしたが、内在化問題行動は4歳という早い時期に関連が認められました(補正後モデルにおける小児期全体の平均増大オッズ:29~84%)。
- 重症ADは、うつ症状(補正後オッズ比:2.38、95%信頼区間[CI]:1.21~4.72)、内在化問題行動(1.90、1.14~3.16)と関連していました。
- 睡眠の質は、上記の関連の一部を媒介していたが、睡眠時間、喘息/鼻炎、炎症マーカー(IL-6、CRP)値の違いによる関連は認められませんでした。
以上より、重症ADは小児期のうつ症状および内在化症状を呈する可能性を約2倍増大することがわかりました。
参考:Association of Atopic Dermatitis and Mental Health Outcomes Across Childhood: A Longitudinal Cohort Study | Adolescent Medicine | JAMA Dermatology | JAMA Network
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