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5~11歳子供へのワクチン安全性~870万回接種データより~

2/10/2022 9:30:02

新型コロナ

今日のポイント:従来報告されている安全性データと相違なし


 小児におけるワクチンの安全性は、成人に比べてデータ集積の問題からやや遅れて報告される傾向にあります。今回紹介するものは従来までに報告されている安全性を支持するような内容の調査報告でした。米国CDCから最新の報告です(2021.12.31)。

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 アメリカ食品医薬品局は2021年10月29日に小児(5~11歳)向けにファイザー社コロナワクチンの緊急使用許可承認前に、3,109人を対象に臨床試験を行い、重大な安全性の問題は確認されなかったとしています。緊急使用承認後の11月3日~12月19日に米国内で約870万回接種され、その間の安全性について報告しました。
 主に、医療従事者を介して蓄積した報告データ「予防接種後副反応報告システム(VAERS)」、および、COVID-19ワクチン接種後の健康状態を把握する「V-safe」。V-safeはワクチン接種を受けた本人や保護者がスマートフォンを用いて報告する仕組みを利用しています。以下本結果です。

  • VAERSに4,249件の報告がありました。男児44.6%、女児45.0%、不明10.4%で、年齢中央値は8歳でした。報告の97.6%は重症でなく、注射部位の痛み、一時的な倦怠感や頭痛でした。重症なもの(報告100件)としては、発熱(29件)、嘔気・嘔吐(21件)、心筋炎の可能性を疑うトロポニン上昇(15件)でした。年齢中央値は9歳。死亡は5歳と6歳の女児2例が報告されていました。いずれもワクチン接種前より健康状態が不良で、ワクチンとの因果関係を示すデータは得られませんでした。
  • V-safeには4万2,504件の報告があり、2回目接種後の報告が2万9,899件、そのうち1万7,180件(57.5%)が局所反応で、1万2,223件(40.9%)が倦怠感や頭痛などの全身反応でした。医療的介入を必要とした割合は1.1%で、実際に入院に至ったのは0.02%でした。

以上のように、概ねこれまでの報告と同様の内容であり、小児特有の重篤な副反応などは観察されませんでした。小児のワクチンに不安を覚える方の判断材料の一つになるのではないかと考えています。


参考:COVID-19 Vaccine Safety in Children Aged 5–11 Years — United States, November 3–December 19, 2021 | MMWR (cdc.gov)

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