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米国で承認された薬の約〇割が日本で未承認

7/27/2025 10:00:05

その他

今日のポイント:米国で承認された薬の約半数が日本で未承認

米国と日本における医薬品の承認格差を調査しました。慶應義塾大学からの報告です。(JAMA Network Open誌、2025年6月10日号)

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対象となった医薬品は、2005~22年に米国または日本で初めて承認された新規分子化合物および生物学的製剤でした。2年の猶予期間を設定して、2024年12月31日時点の日本における承認状況を評価しました。米国で承認されたものの、日本では未承認であった医薬品の傾向をロジスティック回帰分析で検討しました。

・2005~22年に米国または日本で711品目の医薬品が承認されました。
・711品目のうち633品目は米国で承認されており、そのうち280品目(44.2%)は日本では承認されていませんでした。
・日本で承認された431品目のうち78品目(18.1%)は米国で承認されていませんでした。
・78品目のうち63品目(80.8%)は欧州医薬品庁(EMA)でも承認されていなかったため、これらの医薬品はローカル薬とみなして回帰分析から除外しました。
・近年(2014年以降)に米国で承認された医薬品ほど日本では未承認である傾向が強くなりました。
・抗腫瘍薬・免疫調節薬(β係数:−0.93)および血液・造血器系薬(−0.90)は日本でも承認される傾向が強かった一方で、消化器・代謝系薬(−0.43)、神経系薬(−0.51)、全身用感染症薬(−0.52)はやや承認されにくい傾向がみられました。
・生物学的製剤、日本の製薬会社またはグローバルな大手製薬会社が開発した医薬品は日本でも承認される傾向が強くなりました。
・FDAによる迅速審査指定の有無は日本での承認に影響しませんでした。

以上より、米国と日本における医薬品の承認格差を調査した結果、2005~22年に米国で承認された医薬品のうち44%が日本では未承認であり、近年に承認された医薬品ほど未承認に留まる傾向が強かったことが明らかとなりました。

参考文献:
Approval Disparities for New Drugs in the US and Japan - PMC

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