title

コロナと糖尿病の関係

6/28/2022 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:コロナ罹患後の糖尿病発症は一時的な可能性

コロナ罹患後に糖尿病を発症する例が報告されていますが、その真偽のほどはいかがなのでしょうか?今回は米国マサチューセッツ総合病院から発表された研究を報告します。(2022.02.04 Journal of Diabetes and its Complications誌掲載)

image

2020年3月1日~9月27日に米国マサチューセッツ総合病院に入院した18歳以上のCOVID-19患者1,902例を対象に研究を行いました。

  • このうち594(31.2%)人が糖尿病であることを確認されました
  • さらに594人のうち77人はこれまでに糖尿病の診断がされていない新規発症者でした
  • 入院中に新規に糖尿病の診断がついた患者は、以前から糖尿病の診断がされている患者に比較して、若年であり(中央値54歳 vs. 63歳)、血糖値は低く(143.5 vs. 184 mg/dL)、炎症マーカーCRPが高い(128.5 vs. 74.8 mg/dL)という結果でした
  • 人種別に見ると、白人が少なく、ヒスパニックが多いとなりました
  • また、新規に糖尿病の診断された人は無保険で低所得者の割合が高く、新規に診断された人は医療へのアクセスが制限され、コロナ罹患を契機に病院を受診し発見された可能性があると筆者は考えています
  • 尚、インスリン治療を要した期間は、もともと糖尿病を有していた人の方が有意に長かったです(3.33 vs. 0日)
  • 死亡率に有意差はありませんでした(19.3 vs. 15.6日、P=0.53)
  • 新規に糖尿病と診断され、生存退院した64人のうち中央値323日の追跡期間中で糖尿病域の高血糖を持続したのは36人(56.3%)で、26人(40.6%)は正常域または境界域になりました
  • 糖尿病域の高血糖が持続していた36人のうち、追跡終了時点でインスリン療法を必要としたのは5人でした

以上のような結果から、筆者はストレスによる急性のインスリン抵抗性が糖尿病発症メカニズムだと考えているようです。
今後も多くの研究がなされ、コロナと糖尿病発症のメカニズムを解明してほしいと思います。


参考:Newly diagnosed diabetes vs. pre-existing diabetes upon admission for COVID-19: Associated factors, short-term outcomes, and long-term glycemic phenotypes - ScienceDirect

この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

PVアクセスランキング にほんブログ村
にほんブログ村 病気ブログへにほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へにほんブログ村 病気ブログ 新型コロナウイルス感染症へにほんブログ村 病気ブログ がんへ