過去一年の転倒と骨折リスク
2/25/2024 10:00:05
今日のポイント:男女とも過去1年間の転倒歴で骨折リスク上昇
転倒とその後の骨折リスクの関係を調査しました。オーストラリア・Australian Catholic Universityからの報告です。(Osteoporosis International誌オンライン版、2024年1月17日)
本研究は、46の前向きコホートから得られた90万6,359人の男女(女性が66.9%)を対象としました。転倒歴は、43コホートでは過去1年間の転倒と定義され、残りの3コホートでは質問構成が異なっていました。転倒歴と骨折(すべての臨床的骨折、骨粗鬆症性骨折、主要骨粗鬆症性骨折、大腿骨近位部骨折)リスクとの関連は、各コホートで性別ごとにポアソン回帰モデルの拡張を用いて検討し、次いで重み付けベータ係数のランダム効果メタ解析を行いました。
・過去1年間の転倒は21.4%で報告されました。
・910万2,207人年の追跡期間中に8万7,352件の臨床的骨折が発生し、うち1万9,509件は大腿骨近位部骨折でした。
・転倒歴は、女性(ハザード比[HR]:1.42、95%信頼区間[CI]:1.33~1.51)と男性(HR:1.53、95%CI:1.41~1.67)のいずれにおいても、すべての臨床的骨折のリスク増加と有意に関連していました。
・骨粗鬆症性骨折、主要骨粗鬆症性骨折、大腿骨近位部骨折についてもHRは同程度でした。
・転倒歴と骨折リスクとの関連は男女で有意に異なり、男性のほうが女性より予測値が高かくなりました。たとえば、骨粗鬆症性骨折のHRは、男性が1.53(95%CI:1.27~1.84)、女性が1.32(95%CI:1.20~1.45)でした(交互作用のp=0.013)。
・骨折リスクにおける転倒と骨密度との交互作用は認められませんでした。
・男女とも転倒歴が増えるごとに主要骨粗鬆症性骨折のリスクが増加しました。
以上より、男女とも骨密度にかかわらず、過去1年間の転倒歴が骨折リスクを上昇させ、また女性より男性の方がリスクが高まることが示唆されました。
参考:A meta-analysis of previous falls and subsequent fracture risk in cohort studies | Osteoporosis International (springer.com)
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