加糖飲料とうつ病の関係
10/24/2024 10:00:05
今日のポイント:加糖飲料と人工甘味飲料の摂取が多いとうつ病リスクを上げる
加糖飲料とうつ病リスクの遺伝的素因との関連性を前向きに調査しました。中国・天津医科大学からの報告です。(General Psychiatry誌、2024年7月17日号)

ベースライン時のうつ病でない39〜72歳の一般集団18万599人を英国バイオバンクのデータより抽出しました。加糖飲料、人工甘味飲料、天然ジュースの摂取量は、2009〜12年の24時間思い出し法(24-hour dietary recall)より収集しました。うつ病の多遺伝子リスクスコアを推定し、低リスク(最低三分位)、中リスク(中間三分位)、高リスク(最高三分位)に分類しました。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の算出には、Cox比例ハザードモデルおよびsubstitutionモデルを用いました。
・12年間のフォローアップ期間中にうつ病を発症した人は、4,915人でした。
・加糖飲料と人工甘味飲料の摂取量が多い(1日当たり2単位超)人では、うつ病リスクの上昇が認められました。
【加糖飲料】HR:1.26、95%CI:1.12〜1.43
【人工甘味飲料】HR:1.40、95%CI:1.23〜1.60
・天然ジュースの適度な摂取(1日当たり0〜1単位超)は、うつ病リスク低下と関連が認められました。
【天然ジュース】HR:0.89、95%CI:0.83〜0.95
・遺伝的素因により、これらの関連性に影響を及ぼしませんでした(p interaction>0.05)。
・substitution-モデルでは、1日当たり1単位の加糖飲料または人工甘味飲料を天然ジュースに変更することにより、うつ病リスクのHRはそれぞれ0.94(95%CI:0.89〜0.99)、0.89(95%CI:0.85〜0.94)へと低下することが示唆されました。
以上より、加糖飲料や人工甘味飲料はうつ病のリスクを上げ、理論上はそれらを天然ジュースに変更することでリスクを下げられるようです。
参考文献:
Consumption of sugary beverages, genetic predisposition and the risk of depression: a prospective cohort study - PMC (nih.gov)
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