インフル家庭内感染、コロナ流行前の倍に
2/12/2023 10:00:03
今日のポイント:インフルエンザの家庭内感染リスクは2.31倍に上昇
米国疾病予防管理センター(CDC)より、最近のインフルエンザ家庭内感染に関する論文が発表されました。(JAMA誌オンライン版、2023年1月26日)
研究グループは、2021-2022インフルエンザシーズン中の家庭内インフルエンザ感染リスクと、COVID-19パンデミック前のインフルエンザシーズン中の同リスクを比較する前向きコホート試験を行いました。COVID-19パンデミック前シーズンの米国内2州(テネシー、ウィスコンシン)と、2021-2022シーズン中の4州(テネシー、アリゾナ、ニューヨーク、ノースカロライナ)を対象としました。
家庭内で最初に検査で確定されたインフルエンザA(H3N2)ウイルス感染者を1次症例とし、同居する家族には試験登録後5~10日間にわたり、毎日の自己採取による鼻腔ぬぐい液でインフルエンザウイルス遺伝子検査を実施するとともに、症状に関する日誌を記録しました。解析には、COVID-19パンデミック前シーズン中の1次症例152例(年齢中央値13歳、女性52.0%、黒人3.9%)と同居家族353例(33歳、54.1%、2.8%)、2021-2022シーズン中の1次症例84例(10歳、52.4%、13.1%)と同居家族186例(28.5歳、63.4%、14.0%)が含まれました。
- COVID-19パンデミック前シーズン中に、1次症例からインフルエンザA(H3N2)に感染した同居家族は20.1%(71/353例)だったのに対し、2021-2022シーズン中は50.0%(93/186例)でした。
- 2021-2022シーズンのCOVID-19パンデミック前シーズンに対する、インフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染の補正後相対リスクは2.31(95%信頼区間[CI]:1.86~2.86)でした。
以上より、インフルエンザの家庭内感染リスクは有意に上昇(2.31倍)していたことが報告されました。
参考:Household Transmission of Influenza A Viruses in 2021-2022 | Infectious Diseases | JAMA | JAMA Network
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓