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子どもの頃の逆境体験は成人後の市販薬乱用と関係するか?

9/1/2026 10:00:07

その他

今日のポイント
→子どもの頃の逆境体験、成人後の市販薬乱用と関連

近年、市販薬の過量服薬(オーバードーズ)が社会問題となる中、幼少期の逆境体験がその背景に関与するか調査しました。福島県立医科大学神経精神医学講座、東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野からの報告です。(Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports)

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逆境的小児期体験(ACEs)は、虐待やネグレクトなどの幼少期のつらい体験を指し、その後の心身の健康や物質使用障害との関連が指摘されています。日本でも成人の約4人に3人が少なくとも1つのACEを経験しているといいます。また、市販薬(OTC医薬品)の乱用は社会問題となっており、中学生を対象とした厚生労働省の調査では、過去1年間のOTC乱用経験は1.8%(約55人に1人)で、同年齢層の違法薬物使用を上回っていました。しかし、ACEsとOTC乱用との関連を直接検討した研究は乏しく、こうした背景から、全国規模の成人集団を対象に両者の関連を検討しました。

2025年2月23日~3月31日に実施された全国インターネット調査「Japan Society and New Tobacco Internet Survey(JASTIS)」の回答者2万8,000人のうち、不適切回答などを除外した2万5,424人を解析対象としました。18歳未満の10項目のACEsを評価し、4項目以上を経験した場合を高ACE曝露と定義しました。OTC医薬品の習慣的乱用は、1)過去1年間に5回以上使用した、2)推奨量を超える過量服用をした、3)気分変容や多幸感を得る目的で使用した――の3つを満たした場合と定義しました。また、多変量ロジスティック回帰分析により、ACEsとOTC乱用との関連を評価するとともに、紙巻きたばこ、電子たばこ、加熱式たばこ、アルコール、違法薬物の使用状況による違いも検討しました。

・解析対象となった2万5,424人のうち、OTC医薬品の習慣的乱用の割合は6.8%でした。
・また、5.4%が4項目以上のACEsを経験した高ACE曝露群に該当しました。
・高ACE曝露群では、低ACE曝露群と比べてOTC医薬品を習慣的に乱用するオッズが約3倍高く(調整オッズ比〔aOR〕 3.18、95%信頼区間〔CI〕 2.47~4.10)、有意な関連が認められました。
・さらに、ACEsの該当項目が1つ増えるごとにOTC乱用オッズは26%上昇しました。
・ACE数別の解析でも、ACE数が多いほど関連が強まる傾向が認められました。
・他の依存行動との関連を検討したところ、紙巻きたばこ、加熱式たばこ、電子たばこの使用者では、非使用者よりもACEsとOTC乱用との関連が強くなりました。
・特に電子たばこ使用者では、その関連が最も強くなりました(aOR 27.14、95%CI 13.12~56.14)。

以上より、ACEsが成人後のOTC医薬品の習慣的乱用と独立して関連することが示され、特に電子たばこや加熱式たばこ使用者ではその関連がより強く認められました。


参考文献:
Association between adverse childhood experiences and over‐the‐counter drug abuse in Japan: A nationwide population‐based cross‐sectional study - Mori - 2026 - Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports - Wiley Online Library

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