統合失調症の入院リスクと日照時間
3/28/2023 10:00:03
その他
今日のポイント:日照時間は統合失調症による入院リスクに影響を及ぼす
統合失調症と日照時間との関係を検討した研究を紹介します。中国・安徽医科大学からの報告です。(The Science of the Total Environment誌オンライン版、2023年2月8日)

中国・合肥市の主要都市部において、2017~20年の毎日の統合失調症入院データおよび、それに対応する気象要因や環境汚染に関するデータを収集しました。都市部における統合失調症入院期間での日照時間の影響を評価するため、分布ラグ非線形モデルと組み合わせた一般化加法モデルを用いました。さらに、建築物の密度や高さ、正規化植生指数、夜間の光が、統合失調症と日照時間の関連性に及ぼすさまざまな影響も調査しました。
- 不十分な日照時間(5.3時間未満)は、統合失調症による入院リスク増加と関連しており、最大相対リスクは、2.9時間での1.382(95%信頼区間:1.069~1.786)でした。
- 適切な日照時間は、統合失調症による入院リスク低下と関連が認められました。
- サブグループ解析では、女性と高齢者において、とくに脆弱性が認められました。
- 日照時間が不十分な場合、建築物の密度が高く夜間の光が多いほど、統合失調症リスクに有意な好影響が認められました。
- 正規化植生指数が高いほど、また、建築物の高さが高いほど、統合失調症のリスク低下と関連が認められました。
以上のように、適切な日照時間を確保することで統合失調症による入院リスクを下げられる可能性がありそうです。
参考:Sunshine duration and risks of schizophrenia hospitalizations in main urban area: Do built environments modify the association? - ScienceDirect
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