人生の幸福度と認知症
11/5/2023 10:00:05
認知症
今日のポイント:人生を楽しんでいる人は認知症リスク低い
人生を楽しむことと認知症の関係を調査しました。順天堂大学からの報告です。(The Journals of Gerontology. Series B, Psychological Sciences and Social Sciences誌オンライン版、2023年9月18日)

Japan Public Health Center-based(JPHC)研究に参加した5年間のフォローアップ調査時点で45~74歳の日本人3万8,660例を対象としました。心理的状態およびその他の交絡因子の特定には、自己記入式アンケートを用いました。認知症発症は、2006~16年の日本の介護保険(LTCI)制度に基づき評価しました。Cox比例ハザードモデルを用いた、ハザード比[HR]および95%信頼区間[CI]を算出しました。
- フォローアップ期間中央値9.4年の間に認知症を発症した患者は4,462例でした。
- 人生のエンジョイレベルは、認知症リスクとの反比例が認められました。
- 多変量HRは、エンジョイレベルが低い人と比較し、中程度の人で0.75(95%CI:0.67~0.84、p<0.001)、高い人で0.68(同:0.59~0.78、p<0.001)でした。
- 人生のエンジョイレベルの増加と認知症リスク低下との関連性は、低~中程度の精神的ストレスを抱えている人で最も強くなりました。
- 精神的ストレスレベルが高い人では、脳卒中後の身体障害性認知症において関連性が明らかでしたが、脳卒中歴のない身体障害性認知症では認められませんでした。
以上より、人生を楽しんでいる人は、とくに低~中程度の精神的ストレスを抱える人において、認知症発症リスクが低いことが示唆されました。
参考:Perceived Level of Life Enjoyment and Risk of Developing Disabling Dementia: The Japan Public Health Center–Based Study | The Journals of Gerontology: Series B | Oxford Academic (oup.com)
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