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20歳未満のコロナ死亡例を解析

9/18/2022 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:小児死亡例は基礎疾患の有無に関係なし
 

小児では重症化する例は限られているものの、一部では重症化し致命的になる場合もあります。今回は新型コロナウイルス感染症罹患後に死亡した20歳未満の症例をもとに解析をした国内の発表を見てみましょう。(国立感染症研究所、9月14日発表)

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2022年1月1日~8月31日に報告された小児等の死亡例に関する暫定的な報告で、調査対象となったのは、急性期の死亡例および死因を新型コロナとは別原因とした症例で、発症からの日数は問わないとする急性期以降に死亡した症例の計41例です。そのうち32例について8月31日までに実地調査を行い、明らかな内因性死亡と考えられたのは29例でした
 
実地調査で内因性死亡と考えられた29例について以下のような結果でした。

  • 年齢・年代の内訳は、0歳8例(28%)、1~4歳6例(21%)、5~11歳12例(41%)、12~19歳3例(10%)でした。
  • 男性16例(55%)、女性13例(45%)でした。
  • 基礎疾患は、あり14例(48%)、なし15例(52%)で、基礎疾患の内訳は、中枢神経疾患7例(50%)、先天性心疾患2例(14%)、染色体異常2例(14%)など、重複ありでした。
  • 新型コロナワクチンは、29例のうち接種対象外年齢の者が14例(48%)、接種対象年齢の者が15例(52%)でした。
  • 接種対象年齢となる5歳以上の15例では、未接種が13例(87%)、2回接種が2例(13%)で、接種を受けた2例はともに12歳以上であり、発症日は、最終接種日から最低3ヵ月を経過していた。
  • 医療機関到着時の症状・所見は、発熱23例(79%)、悪心嘔吐15例(52%)、意識障害13例(45%)、咳嗽9例(31%)、経口摂取不良9例(31%)、痙攣8例(28%)、呼吸困難7例(24%)でした。
  • 死亡に至る主な経緯は、循環器系の異常7例(24%:心筋炎、不整脈等)、中枢神経系の異常7例(24%:急性脳症等)、呼吸器系の異常3例(10%:肺炎、細菌性肺炎等)、その他6例(21%:多臓器不全等)、原因不明6例(21%)でした。
  • 発症日は26例について得られ、発症から死亡までの日数が、中央値4日(範囲:0~74日)、内訳は0~2日が8例(31%)、3~6日が11例(42%)、7日以上が7例(27%)でした。

 
小児死亡例は基礎疾患にあまり左右されず、半々の割合でした。発症後早期の対応が鍵になりそうです。

 
参考:新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に関する積極的疫学調査(第一報):2022年8月31日現在 (niid.go.jp)

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