妊産婦とコロナの関係

今日のポイント：妊娠中および出産後の中等症以上のコロナ罹患は重篤な産科合併症のリスクを上げる


　妊娠中及び出産後のコロナ罹患と産科合併症の関係はこれまで明確なデータはありませんでしたが、今回米国・ユタ大学から妊産婦とコロナの関係を調べた最新の研究を発表します。

　米国の17施設で、2020年3月1日～12月31日の期間に出産した妊産婦1万4,104例について後ろ向きに解析しました。解析1万4,104例のうちコロナ感染者数は2,352例、非感染者数は1万1,752例でした。

• 妊産婦死亡例の5例ともコロナ感染者でした。
• コロナ中等症以上の感染例(586例)では、非感染者と比較して妊娠高血圧症、産褥出血、コロナ以外の感染症に関連する疾患、帝王切開による出産と関連がありました。
• 一方で軽症の場合は上記のような病態との関連は認められませんでした。

以上のように、軽症では有意な相関がないものの、中等症以上では好ましくない関連があるとの見方がされています。手洗い、うがい、マスク、消毒など出来ることから確実に行うようにしましょう。


参考：Association of SARS-CoV-2 Infection With Serious Maternal Morbidity and Mortality From Obstetric Complications | Infectious Diseases | JAMA | JAMA Network