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乳がん死亡リスクと運動の関係

12/11/2022 10:00:04

がん

今日のポイント:身体活動レベルが一定以上だと死亡リスクが低減する可能性
 

身体活動量と乳がん全死因死亡リスクとの関連を調べた米国の研究をご紹介します。(JAMA Network Open、2022年11月17日)

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2年以上前に乳がんの診断を受け(生存期間中央値6年)、カリフォルニア州のヘルスケアプランのメンバーであった閉経後乳がん患者を対象にしました。1996~2012年に初期の乳がん(TNM分類0~II期)と診断され、2013年8月1日~2015年3月31日の期間に調査を行い、2022年4月30日または患者死亡まで追跡されました。

身体活動レベルと疲労度は、ゴーディン式余暇運動調査票(GSLTPAQ)およびFatigue Severity Inventory(簡易倦怠感尺度)の2つのアンケートで聴取しました。

  • 参加者315例の平均年齢は71歳(57~86歳)で、68.9%が非ヒスパニック系白人でした。
  • 最長追跡期間8.7年(中央値7.8年[四分位範囲:7.3~8.3年])において、45例(14.3%)が死亡しました。うち5例が乳がんによる死亡でした。
  • 死亡率は、身体活動レベルが高い群(高強度[ランニング、ジョギングなど]または高頻度)では12.9/1,000人年、身体活動レベルが中程度の群(中強度[早歩き、ゆっくりとしたサイクリングなど])では13.4/1,000人年、身体活動レベルが低い群(低強度[ヨガ、アーチェリーなど]または低頻度)では32.9/1,000人年でした。
  • 多変量解析において、身体活動レベルが低い群と比較して、身体活動レベルが高い群の死亡のハザード比(HR)は0.42(95%信頼区間[CI]:0.21~0.85)、身体活動レベルが中程度の死亡のHRは0.40(同:0.17~0.95)でした。

 
食事情報と客観的な身体活動の評価を欠いているという限界がありますが、身体活動レベルが高い参加者と中程度の参加者の死亡リスクは同程度であり、中程度の身体活動であっても死亡リスクが60%低いことが示されました。


参考:Association of Physical Activity With Risk of Mortality Among Breast Cancer Survivors | Breast Cancer | JAMA Network Open | JAMA Network

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