食生活の様式とコロナ感染
3/7/2024 10:00:05
今日のポイント:植物性食品をベースにした食生活でコロナ罹患リスク低減
植物性食品をベースにした食生活と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患リスクを調査しました。Hospital das Clinicas FMUSP(ブラジル)からの報告です。(BMJ Nutrition Prevention and Health、2024年1月9日)
2022年3月から7月の間にソーシャルネットワークとインターネットで募集した研究参加者を対象に、食生活のパターンがCOVID-19の罹患と重症度などに及ぼす影響を検討しました。調査に回答した723人のうち、702人が本研究の対象者とされた。食生活のパターンは、動物性食品と植物性食品の両方を摂取している雑食群(424人)と、植物性の食品をベースとした食事を摂取している菜食群(278人)に分けられました。菜食群は、ヴィーガン、および卵と乳製品は摂取するラクト・オボ・ベジタリアンから成るベジタリアン(191人)と、植物性食品の摂取が基本だが時に動物性食品も摂取するフレキシタリアン(87人)で構成されていました。
・全体で330人(47.0%)がCOVID-19の診断を受けたことを報告しました。
・重症度は、224人(31.9%)が軽症、106人(15.1%)が中等症〜重症でした。
・雑食群では菜食群に比べてCOVID-19の罹患率が有意に高くなりました(51.6%対39.9%、P=0.005)。
・COVID-19の重症度についても、雑食群で菜食群に比べて中等症〜重症の人の割合が有意に高くなりましたが(17.7%対11.2%、P=0.005)、症状の持続期間については両群で有意な差は認められませんでした(P=0.549)。
・多変量ロジスティック回帰モデルによる検討の結果、菜食群では雑食群に比べてCOVID-19罹患リスクが39%低いことが示されました。
・菜食群をベジタリアンとフレキシタリアンに分けて解析しても、罹患リスクは雑食群よりもベジタリアンで39%、フレキシタリアンで38%低くなりました。
・重症度に関しては、雑食群と菜食群の間でも、また菜食群をベジタリアンとフレキシタリアンに分けて3群間で検討した場合でも、有意な差は認められませんでした。
以上より、植物性食品をベースにした食生活により、COVID-19罹患リスクが39%低下する可能性が示されました。
参考:Vegetarian and plant-based diets associated with lower incidence of COVID-19 | BMJ Nutrition, Prevention & Health
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