うつ病に有効な運動
3/31/2024 10:00:05
今日のポイント:ウォーキング、ジョギング、ヨガ、筋トレが有効
うつ病に有効な運動について調査しました。オーストラリア・クイーンズランド大学からの報告です。(BMJ誌、2024年2月14日)
研究グループは、心理療法、抗うつ薬およびコントロール条件との比較により、大うつ病性障害の治療に対する最適な運動量および方法を特定することを目的として、無作為化試験のシステマティックレビューとネットワークメタ解析を行いました。Cochrane Library、Medline、Embase、SPORTDiscus、PsycINFOデータベースを検索し、大うつ病の臨床カットオフ値を満たす参加者を対象として、運動療法の効果について検討したあらゆる無作為化試験を適格としました。
スクリーニング、データ抽出、コードおよびバイアスリスクの評価は、2人の独立した著者により実行しました。主要解析では、アームベースのベイジアンマルチレベルネットワークメタ解析を行い、各群のエビデンスの質は、オンラインツールのCINeMA(confidence in network meta-analysis)を用いて等級付けしました。
・検索により、218の特異的な研究(495群、被験者1万4,170例)が対象に含まれました。
・アクティブコントロール群(例:通常ケア、プラセボ錠剤)と比較して、ウォーキングまたはジョギング(1,210例、κ=51、Hedges' g:-0.62[95%信用区間[CrI]:-0.80~-0.45])、ヨガ(1,047例、33、-0.55[-0.73~-0.36])、筋力トレーニング(643、22、-0.49[-0.69~-0.29])、混合有酸素運動(1,286、51、-0.43[-0.61~-0.24])、太極拳または気功(343、12、-0.42[-0.65~-0.21])は、うつ病を中程度に軽減したことが認められました。
・運動の効果は、運動の強度に比例しており、筋力トレーニングとヨガが最も受容性の高い運動であることが示唆されました。
・結果は、出版バイアスに対して頑健であるとみなされたが、バイアスリスクが低いとのCochrane基準を満たした研究は1件のみでした。そのため、CINeMAによる信頼度はウォーキングまたはジョギングでは低く、その他の治療については非常に低いとの結果でした。
以上より、運動はうつ病にとって有効な治療法であり、とくに運動強度が強いウォーキングやジョギング、ヨガ、筋力トレーニングが他の運動よりも有効であり、またヨガと筋力トレーニングは他の治療法と比べて忍容性が良好であることが示されました。
参考:Effect of exercise for depression: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials | The BMJ
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