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子どもの朝食欠食で糖尿病リスク上昇

5/18/2023 10:00:04

その他

今日のポイント:成人同様に、子どもでも朝食欠食で糖尿病リスク上昇

朝食を食べない成人は2型糖尿病のリスクが高いことが報告されていますが、同じことが子どもにも当てはまるかもしれません。東京都足立区内の中学校の生徒を対象とした研究で、東京医科歯科大学からの報告です。(Frontiers in Endocrinology誌、2023年2月22日)

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解析対象は、2016年、2018年、2020年の調査に回答した中学校7校の2年生、計2,090人から、データ欠落者、および、糖代謝レベルを判定するHbA1cへの影響を考慮して、貧血(ヘモグロビンが12g/dL未満)に該当する生徒を除外した1,510人としました。
 
朝食を「毎日食べる」と回答したのは83.6%で、残りの16.4%は「時々食べる」、「ほとんど食べない」、「全く食べない」であり、それらを朝食欠食群と定義しました。糖尿病前症をHbA1c5.6~6.4%の場合と定義すると、3.8%が該当しました。糖尿病の診断基準であるHbA1c6.5%以上の生徒はいませんでした。

  • 糖尿病前症の有病率は、朝食を毎日食べる群が3.5%、朝食を欠食する群では5.6%でした。
  • 多変量解析で性別、世帯収入、糖尿病の家族歴を調整後、朝食欠食群の生徒は毎日食べる生徒に比べて、糖尿病前症に該当する割合が2倍近く高いことが明らかになりました〔オッズ比(OR)1.95(95%信頼区間1.03~3.69)〕。
  • BMIで層別化したサブグループ解析では、BMIが平均から1標準偏差以上上回っている生徒の場合(全体の15.1%)、朝食を欠食することと糖尿病前症に該当することに、より強固な関連のあることが分かりました〔OR4.31(同1.06~17.58)〕。
  • その一方、BMIの平均からの逸脱が1標準偏差未満の群では、朝食欠食による糖尿病前症の有意なオッズ比上昇は観察されませんでした〔OR1.62(0.76~3.47)〕。
  • このほか、朝食欠食の習慣のある生徒は、起床時刻が遅く、平日の睡眠時間が長く、運動をする頻度が低いという有意差が見られました。
  • なお、前記の多変量解析の調整因子に、起床時刻と運動頻度を追加した解析の結果も同様であり、朝食を欠食する生徒の糖尿病前症に該当する割合は約2倍でした〔OR2.01(1.04~3.89)〕。

 
以上より、中学生の朝食の欠食は糖尿病前症に該当することと関連しており、この関連はBMIの高い生徒で顕著でした。


参考:Association between skipping breakfast and prediabetes among adolescence in Japan: Results from A-CHILD study - PMC (nih.gov)

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