妊娠中のアセトアミノフェンと神経発達症の関連は?
3/10/2026 10:00:05
今日のポイント
→妊娠中のアセトアミノフェン、神経発達症と関連なし
アセトアミノフェンは、妊娠中の解熱・鎮痛の第1選択薬であり、非ステロイド性抗炎症薬やオピオイドより安全性が高いとされる一方で、近年自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達症への影響が議論され、注目を集めました。そこで、イ妊娠中のアセトアミノフェン使用と児のASD、注意欠如・多動症(ADHD)、知的障害(ID)リスクの関連を検討するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施しました。イタリア・University of Chietiからの報告です。(The Lancet Obstetrics, Gynaecology, & Women's Health誌オンライン版、2026年1月16日号)
研究グループは、MEDLINE、Embase、ClinicalTrials.gov、Cochrane Libraryを用いて、2025年9月30日までに発表されたコホート研究を検索しました。対象の研究は、妊娠中のアセトアミノフェン使用と小児アウトカム(ASD/ADHD/ID)を評価し、調整済み推定値が示されているものとしました。本研究の主要解析では、きょうだい比較を用いた研究に限定して、妊娠中のアセトアミノフェン使用とASD、ADHD、IDの関連を評価しました。また、バイアスリスクが低い研究や追跡期間が5年以上の研究についても解析しました。
・システマティックレビューには43件の文献が抽出され、そのうち17件がメタ解析の対象となりました。
・きょうだい間比較を用いた研究において、妊娠中のアセトアミノフェン使用は、児のASD、ADHD、IDのいずれとも関連がみられませんでした。オッズ比(OR)、95%信頼区間(CI)、p値、I2値は以下のとおりでした。
ASD:0.98、0.93~1.03、p=0.45、I2=0%
ADHD:0.95、0.86~1.05、p=0.31、I2=18%
ID:0.93、0.69~1.24、p=0.63、I2=48%
・バイアスリスクが低い研究のみに限定した解析でも、児のASD、ADHD、IDのいずれとも関連はみられませんでした。OR、95%CI、p値、I2値は以下のとおりでした。
ASD:1.03、0.86~1.23、p=0.78、I2=75%
ADHD:0.97、0.89~1.05、p=0.49、I2=10%
ID:1.11、0.92~1.34、p=0.28、I2=57%
・調整済み推定値を報告したすべての研究を含めた解析や、5年以上の追跡期間を有する研究に限定した解析においても、一貫して関連はみられませんでした。
以上より、妊婦のアセトアミノフェン使用とこれらの神経発達症のリスクとの間に関連は認められませんでした。
参考文献:
Prenatal paracetamol exposure and child neurodevelopment: a systematic review and meta-analysis - The Lancet Obstetrics, Gynaecology, & Women’s Health
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