赤ワイン、コーヒー、ドライフルーツとコロナ重症化の関係
12/7/2023 10:00:05
今日のポイント:赤ワインやコーヒー、ドライフルーツでコロナ重症化リスク増加
一部の食事と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染感受性や入院・重症化リスクとの間には因果関係があります。この因果関係について中国・Yantai Yuhuangding Hospitalから報告です。(British Journal of Nutrition誌オンライン版、2023年11月6日号)
肉や魚、穀物、野菜、乳製品、アルコール、嗜好品などの26種類の食習慣に関するゲノムワイド関連研究(GWAS)のデータは英国バイオバンクより抽出し(約50万例)、COVID-19の感受性、入院・重症度に関するデータはCOVID-19 Host Genetics Initiative(Round7)より抽出しました(約260万例)。
・COVID-19の感受性の低下と関連していたのは、無塩ピーナッツ(OR:0.53、95%CI:0.35~0.82、p=0.004)、牛肉(OR:0.59、95%CI:0.41~0.84、p=0.004)、豚肉(OR:0.63、95%CI:0.42~0.93、p=0.022)、加工肉(OR:0.76、95%CI:0.63~0.92、p=0.005)、牛乳(OR:0.82、95%CI:0.68~0.98、p=0.032)の摂取でした。一方で、コーヒー(OR:1.23、95%CI:1.04~1.45、p=0.017)、紅茶(OR:1.17、95%CI:1.05~1.31、p=0.006)の摂取で感受性が増加していました。
・COVID-19による入院は、牛肉(OR:0.51、95%CI:0.26~0.98、p=0.042)の摂取でリスクが低減したが、赤ワイン(OR:2.35、95%CI:1.29~4.27、p=0.005)、ドライフルーツ(OR:2.08、95%CI:1.37~3.15、p=0.001)、紅茶(OR:1.54、95%CI:1.16~2.04、p=0.003)の摂取でリスクが増大しました。
・COVID-19の重症化リスクを有意に低減した食習慣はなかったが、赤ワイン(OR:2.84、95%CI:1.21~6.68、p=0.017)、コーヒー(OR:2.16、95%CI:1.25~3.76、p=0.006)、ドライフルーツ(OR:1.98、95%CI:1.16~3.37、p=0.012)摂取でリスクの増大が示されました。
・感度分析においても、同様の結果が得られました。
以上より、赤ワイン、コーヒー、ドライフルーツの摂取でコロナ重症化リスクが増大する可能性が示されました。
参考:Causal effects of dietary habits on COVID-19 susceptibility, hospitalisation, and severity: A comprehensive Mendelian randomisation study | British Journal of Nutrition | Cambridge Core
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