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COVID-19罹患後は喘息やアレルギー性鼻炎の発症を引き起こす

10/28/2025 10:00:04

新型コロナ

今日のポイント:COVID-19罹患後、喘息やアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎の発症を引き起こす

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患と呼吸器系の炎症疾患リスクを調査しました。カロリンスカ研究所(スウェーデン)からの報告です。(The Journal of Allergy and Clinical Immunology、2025年8月12日)

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米国の電子健康記録のデータベースを用いて後ろ向きコホート研究を実施し、COVID-19罹患後における2型炎症性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、好酸球性食道炎)のリスクを評価しました。対象者は、COVID-19に罹患した97万3,794人、新型コロナワクチン接種者69万1,270人、新型コロナウイルスに感染しておらず、ワクチンも未接種の対照群438万8,409人でした。

・解析の結果、COVID-19罹患群では対照群に比べて、喘息のリスクが65.6%(ハザード比1.656、95%信頼区間1.590〜1.725)、アレルギー性鼻炎のリスクが27.2%(同1.272、1.214〜1.333)、慢性副鼻腔炎のリスクが74.4%(同1.744、1.671〜1.821)、有意に高いことが明らかになりました。
・アトピー性皮膚炎と好酸球性食道炎のリスクについては変化が見られませんでした。
・その一方で、ワクチン接種者ではむしろリスク低下が見られ、喘息リスクは32.2%(同0.678、0.636〜0.722)、慢性副鼻腔炎リスクは20.1%(同0.799、0.752〜0.850)低下していました。
・直接比較からは、COVID-19罹患群ではワクチン接種群に比べて呼吸器系の2型炎症性疾患リスクが 2〜3倍高いことが示されました。

以上より、COVID-19罹患により、喘息、アレルギー性鼻炎、長期にわたる慢性副鼻腔炎の発症リスクが高まる可能性があるが、一方でワクチン接種により喘息と慢性副鼻腔炎のリスクは低下することも示されました。


参考文献:
COVID-19 infection raises respiratory type 2 inflammatory disease risk, whereas vaccination is protective - Journal of Allergy and Clinical Immunology

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