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2020年の早期がん診断数減少、進行期の増加が懸念される

1/19/2022 9:30:02

がん

今日のポイント:コロナによる受診控えで9%のがんが発見できず


 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い【受診控え】が問題となりました。今回紹介する内容のことは近い将来問題になるだろうなと予想していましたが、実際に予想通りとなってしまいました。

 公益財団法人日本対がん協会が中心となり全国486施設(がん診療連携拠点病院や大学病院など)でがんの診断数、臨床病期(ステージI~IV期、がん種によって0期も含む)、手術数、内視鏡治療数などを調べました。全国規模の調査は初で、北海道から沖縄まで全国で計105施設から回答を得ました。

  • 診断数の減少幅は、胃がんで13.4%と最大、次いで大腸がん10.2%、乳がん8.2%、肺がん6.4%、子宮頸がん4.8%でした。
  • 一方でがんに罹患する人の割合は2019年、2020年でほぼ変わらないと考えられるため、2019年と同じように検診や通院ができていれば発見できたがんが約9%あったと推測されます。
  • 特に検診や定期受診では早期がん発見の役割がありますが、受診控えにより早期がんの発見が遅れ進行期での発見が今後増えてくると予想されます。
  • 結果的に、予後の悪化、がん死亡率の上昇が将来的に危惧されます。


 新型コロナウイルス感染症は世界的な問題となり日本でもコロナ対策に大きく注意が向けられていますが、他方で、従来であれば早期発見・早期治療、ひいては救命できたであろう【がん】への問題も今後顕在化してくると思われます。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くにつれて、今後はますます適切な医療の在り方、適切な医療資源の分配などについて大いに議論すべきと考えます。

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