新型コロナパンデミックと園児の発達
5/15/2025 10:00:04
今日のポイント:パンデミック発生後、コミュニケーション能力や一般知識、言語・認知発達など低下
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前後で、園児の発達の関係を調査しました。米カリフォルニア大学からの報告です。(JAMA Pediatrics、2025年3月10日)

2010年から2023年にかけて米国の園児47万5,740人(平均年齢6歳、男児51.1%)を対象に反復横断パネル研究を実施し、COVID-19パンデミックが園児の発達に与えた影響を調査しました。発達状況は、Early Development Instrument(EDI)により、1)身体的健康およびウェルビーイング、2)社会的コンピテンス、3)感情的成熟度、4)言語・認知発達、5)コミュニケーション能力・一般知識の5領域について評価されました。
・2018〜2020年のパンデミック前コホート(11万4,359人)と比較して、2021〜2023年のパンデミック後コホート(8万5,827人)では、言語・認知発達(平均変化−0.45、95%信頼区間−0.48~−0.43)、社会的コンピテンス(同−0.03、−0.06~−0.01)、コミュニケーション能力・一般知識(同−0.18、−0.22~−0.15)が有意に低下していました。
・その一方で、感情的成熟度は有意に上昇していました(同0.05、0.03~0.07)。
・身体的健康およびウェルビーイングについては、有意な変化は見られませんでした。
以上より、パンデミック発生前の園児と比べて、言語・認知発達、社会的コンピテンス、コミュニケーション能力、一般知識の平均スコアが有意に低いことが明らかになりました。
参考文献:
COVID-19 Pandemic and the Developmental Health of Kindergarteners - PMC
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓