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座位と乳がんリスク

1/9/2024 10:00:05

がん

今日のポイント:座位時間が長いと乳がん罹患リスク上昇


一日の座位時間と乳がん罹患リスクを調査しました。京都府立医科大学からの報告です。(Cancer Science誌オンライン版、2023年12月2日号)

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日本多施設共同コホート研究(J-MICC Study)のデータを用いました。解析対象は35〜69歳の女性3万6,023人(平均年齢54.5歳)で、追跡期間中央値は9.4年でした。Cox比例ハザードモデルを用いて、1日の座位時間と乳がん罹患の関連におけるハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定しました。さらに、余暇の代謝当量(METs)、余暇の運動頻度、1日の歩行時間などの関連も分析しました。
 
・3万6,023人のうち、1日当たりの座位時間が7時間未満だったのは21.2%、7~10時間未満は26.3%、10~13時間未満は25.3%、13時間以上は27.2%でした。
・追跡期間中に554例(1.5%)が乳がんに罹患しました。
・7時間未満の集団と比較して、7時間以上の集団では乳がんの罹患リスクが有意に高くなりました(HR:1.36、95%CI:1.07~1.71、p=0.01)。
・座位時間が長くなるほどリスクが上がるわけではなく、7~10時間未満のHRは1.32(95%CI:1.01~1.72、p=0.043)、10~13時間未満は1.42(1.09~1.84、p=0.010)、13時間以上は1.34(1.02~1.75、p=0.035)でした。
・7時間以上の集団の乳がん罹患リスクは、余暇における1METs・時/日以上の運動(HR:1.58、95%CI:1.11~2.25、p=0.012)、週3回以上の運動(1.77、1.20~2.61、p=0.004)、1日1時間以上の歩行(1.42、1.10~1.83、p=0.007)を行っていても、7時間未満の集団よりも高くなりました。
 
以上より、座っている時間が1日7時間以上だと乳がんの罹患リスクが36%上昇し、余暇の運動量・頻度や歩行時間が多くてもリスクは依然として高いことが示唆されました。

参考:Seven‐plus hours of daily sedentary time and the subsequent risk of breast cancer: Japan Multi‐Institutional Collaborative Cohort Study - Tomida - Cancer Science - Wiley Online Library

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