糖質と認知症
10/15/2024 10:00:00
今日のポイント:過剰な糖質摂取は、認知症リスクと関連
食事中の糖質摂取と認知症との関連を調査しました。中国・四川大学からの報告です。(BMC Medicine誌、2024年7月18日)

英国バイオバンクコホートに参加した21万832人を対象に、前向きコホート研究を実施しました。食事中の糖質摂取を反映するため、糖質の絶対摂取量および相対摂取量、高糖質食スコアを用いました。糖質の絶対摂取量は、英国バイオバンクのOxford WebQにより特定しました。糖質の相対摂取量は、絶対摂取量を総食事エネルギー量で割ることにより算出しました。高糖質食パターンの特定には、縮小ランク回帰法を用いました。食事中の糖質摂取量とすべての原因による認知症およびアルツハイマー病との縦断的関係を調査するため、Cox比例ハザード回帰分析および制限付き3次スプラインを用いました。根本的なメカニズムを解明するため、探索的媒介分析を行いました。
・糖質の絶対摂取量(g/日)の増加は、すべての原因による認知症およびアルツハイマー病のリスク増加と有意な関連が認められました。
【すべての原因による認知症】ハザード比(HR):1.003、95%信頼区間(CI):1.002〜1.004、p<0.001
【アルツハイマー病】HR:1.002、95%CI:1.001〜1.004、p=0.005
・糖質の相対摂取量(%g/kJ/日)も、すべての原因による認知症(HR:1.317、95%CI:1.173〜1.480、p<0.001)およびアルツハイマー病(HR:1.249、95%CI:1.041〜1.500、p=0.017)との有意な関連が認められましたが、高糖質食スコアは、すべての原因による認知症のみでリスク増加との関連が認められました(HR:1.090、95%CI:1.045〜1.136、p<0.001)。
・糖質摂取量と高糖質食スコアの両方が、すべての原因による認知症およびアルツハイマー病と有意な非線形関係を示しました(非線形のすべてのp値:p<0.05)。
以上より、過剰な糖質摂取は、認知症リスクと関連していることが示唆されました。
参考文献:Associations of sugar intake, high-sugar dietary pattern, and the risk of dementia: a prospective cohort study of 210,832 participants | BMC Medicine | Full Text (biomedcentral.com)
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