日本人高齢者の緊急入院で死亡率が高いのはインフル?コロナ?RSV?
3/1/2026 10:00:04
今日のポイント
→3者の中ではRSVの緊急入院で死亡率が高い
50歳以上(平均年齢81.4歳)を対象とした前向きコホート研究において、インフルエンザ、SARS-CoV-2、RSウイルス(RSV)における緊急入院の死亡率を比較しました。兵庫医科大学からの報告です。(Clinical Microbiology and Infection誌オンライン版、2026年1月10日号)
研究グループは、日本の3施設(島根県立中央病院、洛和会音羽病院、奈良市立病院)において、急性呼吸器症状または徴候を呈して緊急入院した50歳以上の成人を対象に、前向きコホート研究「EVERY study」を実施しました。登録期間は2023年7月1日~2024年12月31日としました。入院後24時間以内に採取された鼻咽頭ぬぐい液を用いて、FilmArray呼吸器パネル2.1による多項目遺伝子検査を行い、RSV、SARS-CoV-2、インフルエンザA/Bの陽性割合と臨床転帰(30日全死亡、下気道疾患[LRTI]、modified LRTI[画像所見を組み込んだ定義])を検討しました。また、ワクチン接種歴(COVID-19[新型コロナウイルス感染症]ワクチンとRSVワクチンは過去に1回以上接種で接種あり、インフルエンザワクチンは当該シーズンに1回以上接種で接種ありとした)も調べました。
・解析対象となった3,067例(平均年齢81.4歳、男性55.3%)において、各ウイルスの陽性割合は、インフルエンザA/Bが2.3%、SARS-CoV-2が18.0%、RSVが1.6%でした。
・解析対象(3,067例)のワクチン接種割合は、インフルエンザワクチン37.9%、COVID-19ワクチン62.3%、RSVワクチン0%でした。
・抗ウイルス薬の投与割合は、インフルエンザA/B群62.3%、SARS-CoV-2群71.8%、RSV群0%でした。
・30日全死亡率は、インフルエンザA/B群が2.9%であったのに対し、SARS-CoV-2群8.4%、RSV群14.3%でした。
・インフルエンザA/B群を対照とした場合の30日全死亡の調整オッズ比は、SARS-CoV-2群が2.9(95%信頼区間[CI]:0.83~17.9)、RSV群が5.2(95%CI:1.2~36.7)であり、RSV群が高くなりました。
・入院時のLRTIの割合は、インフルエンザA/B群88.4%、SARS-CoV-2群82.8%、RSV群87.8%でした。modified LRTIは、それぞれ95.7%、93.1%、93.9%といずれも高率でした。
以上より、急性呼吸器症状で緊急入院する高齢者において、RSVはインフルエンザやCOVID-19よりも高い死亡率に関連するリスク因子であることが示されました。
参考文献:
Prevalence and clinical outcomes of RSV, COVID-19, and influenza among older hospitalized adults: The EVERY prospective cohort study - Clinical Microbiology and Infection
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓

