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妊娠中のコロナワクチン接種、早産などのリスクは?

9/25/2022 10:00:02

新型コロナ

今日のポイント:妊娠中のコロナワクチン接種、早産などのリスク増大なし
 

「妊娠中にコロナワクチンを打っても大丈夫なの?」という質問を抱く方も多いのではないでしょうか?今回はそんな疑問に答える論文を紹介します。カナダ・オタワ大学からの後ろ向きコホート研究です。(BMJ誌、2022年8月17日号)

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2021年5月1日~12月31日におけるカナダ・オンタリオ州の出生登録(Better Outcomes Registry and Network[BORN Ontario])とCOVID-19ワクチン接種データベース(COVaxON)を用いて、研究期間終了までの42週以上前の妊娠による出産で、在胎週数20週以上または出生時体重500g以上のすべての生児および死産児、ならびに受精したと思われる日から出生前日までの間に受けたワクチン接種について解析しました。
 
主要評価項目は、早産(妊娠37週未満)、超早産(妊娠32週未満)、SGA児(在胎期間に対して出生時体重が10パーセンタイル未満)の出生、および死産の発生としました。

  • 調査期間中の出産児(生児および死産児)は8万5,162例で、このうち母親が妊娠中に1回以上COVID-19ワクチンを接種していた児は4万3,099例(50.6%)で、うち4万2,979例(99.7%)はmRNAワクチンでした。
  • 妊娠中にワクチン接種を受けた4万3,099例のうち、1回接種は1万3,416例(31.1%)、2回接種は2万9,650例(68.8%)、3回接種は33例(0.1%)でした。
  • 1回目接種が妊娠初期(第1期)であったのは5,213例(12.1%)、妊娠中期(第2期)が2万715例(48.1%)、妊娠後期(第3期)が1万7,171例(39.8%)でした。
  • 妊娠中のワクチン接種は、すべての早産(ワクチン接種群6.5% vs.非接種群6.9%、補正後HR:1.02[95%CI:0.96~1.08])、自然早産(3.7% vs.4.4%、0.96[0.90~1.03])、および超早産(0.59% vs.0.89%、0.80[0.67~0.95])のリスク増加とは関連がありませんでした。
  • SGA児の出生(9.1% vs.9.2%、0.98[0.93~1.03])、および死産(0.25% vs.0.44%、0.65[0.51~0.84])のリスク増加も認められませんでした。
  • ワクチンを接種した妊娠の時期、mRNAワクチンの種類、妊娠中のワクチン接種回数にかかわらず、これらの結果は同様でした。

 
以上より、ワクチン接種による妊娠中の早産などの影響はあまり心配しなくても良さそうです。

 
参考:Risk of preterm birth, small for gestational age at birth, and stillbirth after covid-19 vaccination during pregnancy: population based retrospective cohort study | The BMJ

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