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がん種類と術後の静脈血栓塞栓リスク

6/16/2024 10:00:05

がん

今日のポイント:膀胱がん、肺がん、胃・食道がんは特に注意が必要


がん手術後の静脈血栓塞栓のリスク増加を、がん種別に評価した研究結果が発表されました。スウェーデン・カロリンスカ研究所からの報告です。(JAMA Network Open誌、2024年2月2日号)

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本試験は1998~2016年のスウェーデンの全人口データを用いた後ろ向きコホート研究でした。膀胱がん、乳がん、大腸がん、婦人科がん、腎臓・上部尿路上皮がん、肺がん、前立腺がん、胃・食道がんの8種のがんで手術を受けた全患者を、非がんの一般集団と1対10の割合でマッチさせました。データは2023年2月13日~12月5日に解析されました。主要アウトカムは、術後1年以内の静脈血栓塞栓イベントの発生率としました。1年以内のイベントの絶対リスクおよびリスク差、退院後イベントの時間依存性変数を調整したハザード比(HR)を算出しました。

・がん手術群は計43万2,218例で、年齢中央値67歳(四分位範囲[IQR]:58~75歳)、女性68.7%でした。非がん対照群は400万9,343例で、年齢中央値66歳(IQR:57~74歳)、女性69.3%でした。
・静脈血栓塞栓症の1年累積リスクは、すべてのがん手術群で対照群よりも高くなりました。がん種別にみたリスク差は、膀胱がん2.69パーセントポイント(95%信頼区間[CI]:2.33~3.05)、乳がん0.59(0.55~0.63)、大腸がん1.57(1.50~1.65)、婦人科がん1.32(1.22~1.41)、腎臓・上部尿路がん1.38(1.21~1.55)、肺がん2.61(2.34~2.89)、前立腺がん0.57(0.49~0.66)、胃・食道がん2.13(1.89~2.38%)でした。
・1年HRは、肺がんで最も高くなりました(HR:8.89、95%CI:5.97~13.22)。
・がん手術群の静脈血栓塞栓リスクは、退院直後にピークに達し、60~90日後にはおおむねプラトーになりました。
・術後30日時点では乳がんを除くすべてのがん手術群におけるHRは対照群の10~30倍でしたが、30日を過ぎるとHRはプラトーに達しました。
・しかしながら、前立腺がんを除いて対照群のレベルにまで達することはありませんでした。深部静脈血栓症についても同様の結果でした。

以上より、膀胱がん、肺がん、胃・食道がんは特に注意が必要なようです。


参考文献:Risk of Venous Thromboembolic Events After Surgery for Cancer - PMC (nih.gov)

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