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ファイザー経口コロナ治療薬の有効性

12/16/2021 9:30:02

新型コロナ

今日のポイント:リナトビル(パクスロビド®)は入院・死亡リスクを89%減少させる

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 新型コロナウイルス感染症に対する経口薬開発が世界的に進んでいます。今日はそんな中でワクチンでもその存在感を示したファイザー社から開発中のリナトビル(パクスロビド®)という経口薬の最新情報をお知らせします。

 2021/11/05ファイザー社のプレスリリースによると、COVID-19重症化リスクが高いものの現在入院していない成人コロナ患者1,219名(1:1割り付け、ランダム化二重盲検試験)を対象に中間解析が進められました。

・コロナの症状発現から3日以内にリナトビル(パクスロビド®)を投与
→28日以内に、リナトビル(パクスロビド®)投与群は0.8%が入院のみ(3/389例、そのうち死亡0例)、プラセボ投与群は7.0%が入院・死亡(27/385例、そのうち死亡7例)

・コロナの症状発現から5日以内にリナトビル(パクスロビド®)を投与
→同様に、28日以内に、リナトビル(パクスロビド®)投与群は0.01%が入院のみ(6/607例、そのうち死亡0例)、プラセボ投与群は6.7%が入院・死亡(41/612例、そのうち死亡10例)

 安全性の解析には、解析時に入手できた1,881名分のデータを使用し、治療による有害事象はリナトビル(パクスロビド®)投与群で19%、プラセボ群で21%と同等で、そのほとんどが軽度のものでした。重篤な有害事象はリナトビル(パクスロビド®)投与群とプラセボ投与群で比較して1.7% vs. 6.6%であり有意にリナトビル(パクスロビド®)投与群が少なく、また有害事象による試験中止も2.1% vs. 4.1%と有意に少なかったとされています。

 今回の結果を受け、ファイザー社はFDAへの緊急使用許可を求めて得られたデータを提出するようです。

 経口薬の出現により、今後は外来である程度まではコロナの積極的な治療を受けられる可能性が現実味を帯びてきました。患者側からも外来で積極的な治療を受けられるメリットはもちろんですが、医療機関側で仕事をしている立場からも入院後の院内パンデミックリスクなどを避けることができるのは素晴らしいことだと思います。

参考:Pfizer’s Novel COVID-19 Oral Antiviral Treatment Candidate Reduced Risk of Hospitalization or Death by 89% in Interim Analysis of Phase 2/3 EPIC-HR Study | Pfizer

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