住居環境とうつ病

今日のポイント：玄関付近に植物のある家に住んだほうが、日本人のうつ病リスクは低い

住居環境とうつ病との関連について調査しました。千葉大学からの報告です。（Preventive Medicine Reports誌、2025年6月20日号）

2022年1月〜2023年10月、65歳以上の日本人を対象にコホート研究を実施しました。解析対象は、東京都23区内に居住する2,046人でした（平均年齢：74.8±6.2歳）。2023年におけるうつ病の状況は、老年期うつ病評価尺度（GDS15）を用いて評価しました。2023年の玄関エリアの特性を説明変数として用いました。修正ポアソン回帰分析を用いて、うつ病有病率比および95％信頼区間（CI）を推定しました。

・対象者2,046人中458人（22.4％）がうつ病に分類されました。
・玄関付近に植物や花のある住宅に住む人は、そうでない人と比較し、うつ病の有病率が低くなりました（有病率比：0.84、95％CI：0.71〜0.98）。
・住宅種別による層別解析では、集合住宅居住者における植物や花のある住宅に住む人のうつ病有病率比は0.72（95％CI：0.52〜0.99）でした。
・戸建て住宅に住む人では、有意な関連が認められませんでした（有病率比：0.85、95％CI：0.70〜1.03）。

以上より、日本人においては玄関付近に植物のある家に住んだほうがうつ病リスクは低い可能性が示唆されました。


参考文献：
Association between home entrance characteristics and depression: A cross-sectional study of community-dwelling older adults in Japan - ScienceDirect