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タトゥーと悪性リンパ腫の関係

10/3/2024 10:00:05

その他

今日のポイント:タトゥーを入れると悪性リンパ腫になりやすい


タトゥーと悪性リンパ腫の関係を調査しました。スウェーデンのルンド大学医学部臨床検査部産業・環境医学部門からの報告です。(EClinicalMedicine誌、2024年5月21日号)

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Nielsen氏らの研究グループは、スウェーデン全国がん登録に登録されている20~60歳で、2007~17年の間に悪性リンパ腫と診断された症例を同定し、症例対照研究を行いました。方法としては、悪性リンパ腫患者を特定し、人口統計学的に1:3の割合でマッチングされた対照サンプルとともに、タトゥー曝露(2021年の質問表調査により評価)と悪性リンパ腫との関連を検討しました。解析では、多変量ロジスティック回帰を用い、タトゥーのある人における悪性リンパ腫の発生率比(IRR)を推定しました。

・1万1,905例を検討し、回答率は悪性リンパ腫症例群では54%(1,398例)で、対照群では47%(4,193例)だった。うちタトゥーのある人の割合は悪性リンパ腫症例群で21%、対照群で18%でした。
・タトゥーのある人はリンパ腫全体の調整後リスクが高くなりました(IRR=1.21、95%信頼区間[CI]:0.99~1.48)。
・リンパ腫のリスクは、最初のタトゥーから指標年までの期間が2年未満の人で最も高くなりました(IRR=1.81、95%CI:1.03~3.20)。
・リスクは中等度の曝露期間(3~10年)になると減少したが、指標年の11年以上前に最初のタトゥーを入れた人では再び増加していました(IRR=1.19、95%CI:0.94~1.50)。
・タトゥーを入れた体表面の総面積が大きいほどリスクが増加するというエビデンスは、認められませんでした。
・タトゥー曝露に関連するリスクは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(IRR=1.30、95%CI:0.99~1.71)と濾胞性リンパ腫(IRR=1.29、95%CI:0.92~1.82)で最も高いと示唆されました。

以上より、タトゥーを入れると悪性リンパ腫になりやすい可能性が示唆されました。


参考文献:
Tattoos as a risk factor for malignant lymphoma: a population-based case–control study - eClinicalMedicine (thelancet.com)

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