毎日の手指消毒、皮膚バリア機能への影響は?
3/27/2022 9:30:02
新型コロナ
今日のポイント:アルコール消毒で明らかな皮膚バリアの破壊は認められない
コロナ感染拡大を防ぐには個人が手洗い、消毒、マスク着用を積極的に行うことが重要です。しかしながらアルコール消毒による皮膚バリア機能の破壊はどうなのでしょうか?今日はそんな疑問の声に答えてみようと思います。
2021年12月25日に発表されたスペインからの研究報告です。(Contact Dermatitis誌)
日常診療における医療従事者の様々な手指衛生で比較しました。
8時間の勤務中に、①水とせっけん、②アルコール消毒、③除菌シートで手指消毒をする3グループに分けました。
- 参加した62人のうち、①水とせっけんが20人、②アルコール消毒が21人、③除菌シートが21人に分けられました。
- 8時間後、皮膚表皮バリア機能の指標である経表皮水分蒸散量は、③除菌シートが①水とせっけんや②アルコール消毒のグループよりも高かった(=バリア機能が下がっていた)。
- 検証後に手指より採取された細菌や真菌などの繁殖は、②アルコール消毒、③除菌シートのグループで低かった(=細菌の繁殖を低く抑えた)。
以上のような結果でした。
アルコールによる手指消毒は皮膚バリア機能を大きく下げることなく細菌繁殖を下げるため、非常に効果があることが再確認されました。
今後も定期的な手指消毒は継続しましょう。
参考:Assessment of hand hygiene strategies on skin barrier function during COVID‐19 pandemic: A randomized clinical trial - Montero‐Vilchez - 2022 - Contact Dermatitis - Wiley Online Library
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