左右の肺がんの死亡リスク差
8/24/2025 10:00:05
がん
今日のポイント:右側肺がんの死亡率は左側肺がんよりわずかに高い
肺がんの左右差による死亡リスクについて調査しました。千葉県がんセンターからの報告です。(Cancer Epidemiology誌オンライン版、2025年6月24日号)

本コホート研究では、千葉県がん登録(2013~20年)のデータを用いて、原発性肺がん3万6,502例を対象とし、患者特性を右側肺がんと左側肺がんで比較しました。年齢、性別、病期、組織型、その他の共変量で調整した死亡率の左右差を、カプランマイヤー生存曲線、ログランク検定、Cox比例ハザードモデルを用いて評価しました。
・右側肺がん(60%)は左側肺がん(40%)よりも多くなりました。
・右側肺がんの死亡率は左側肺がんよりわずかに高くなりました(ハザード比[HR]:1.05、95%信頼区間[CI]:1.02~1.08、p=0.003)。
・男女別に分析すると、男性では右側肺がんの死亡リスクが高くなりましたが(HR:1.08、95%CI:1.04~1.12、p<0.001)、女性では左右差は有意ではありませんでした。
以上より、右側肺がんの死亡率は左側肺がんよりわずかに高く、また、死亡リスクは男性では右側肺がんが高かったが、女性では差がないことがわかりました。
参考文献:
Right versus left lung cancer: Findings from the Japanese cancer registry database - ScienceDirect
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