コロナワクチンとインフルエンザワクチン同時接種による副反応
8/18/2022 10:00:03
新型コロナ
今日のポイント:同時接種でわずかに副反応リスク上昇(軽度~中等度)
まもなくインフルエンザのシーズンを見据える必要があります。今回はコロナワクチンとインフルエンザワクチン同時接種の副反応に関する米国の研究を報告します。(JAMA Network Open誌2022年7月15日号掲載)
米国におけるコロナブースター接種とインフルエンザワクチンを同時に接種した場合の有害事象を後ろ向きに評価しました。12歳以上、2021年9月22日~2022年5月1日のワクチン接種後0〜7日目の情報(接種部位反応と全身反応および健康への影響)を調べました。同時接種後7日間の全身反応オッズ比(イベントの起こりやすさ)を性別、年齢、ワクチン接種の週で調整し、ブースター接種単独と同時接種を比較しました。以下結果です。
- 12歳以上、98万1,099例のうち、9万2,023例(9.4%)がコロナブースター接種とインフルエンザワクチン接種を同時に行いました。そのうち、女性が5万4,926例(59.7%)、男性が3万6,234例(39.4%)で、その他は863例(0.9%)でした。
- 12〜49歳が3万7,359例(40.6%)、50〜64歳は2万3,760例(25.8%)、65〜74歳は2万4,855例(27.0%)、75歳以上は6,049例(6.6%)でした。
- ワクチン接種翌週に、ファイザー製とインフルエンザワクチンを同時接種したうちの3万6,144例(58.9%)と、モデルナ製とインフルエンザワクチンを同時接種したうちの2万1,027例(68.6%)が全身反応を報告しましたが、ほとんどの反応は軽度または中等度でした。
- ワクチン接種の翌日が最も多く、その症状は倦怠感、頭痛、筋肉痛でした。
- ファイザー製とインフルエンザワクチン同時接種群(6万1,390例)とファイザー製単独群(46万6,439例)を比較した場合では、接種部位反応(注射部位疼痛):62.2% vs.61.1%、疲労:44.2% vs.43.6%、筋肉痛:33.2% vs.33.4%、頭痛:33.7% vs.34.8%でした。
- モデルナ製群(3万633例)とインフルエンザワクチン同時接種群(42万2,637例)では、接種部位反応(注射部位疼痛):70.6% vs.67.4%、疲労:52.8 vs.48.9%、筋肉痛:43.6 vs.39.6%、頭痛:43.1 vs.40.3%でした。
- 同時接種した場合のファイザー製とモデルナ製でのオッズ比を算出したところ、さまざまな全身反応については、ファイザー製が1.08(95%信頼区間[CI]:1.06~1.10)、モデルナ製が1.11(1.08~1.14)、接種部位反応については、ファイザー製が1.10(1.08~1.12)、モデルナ製が1.05(1.02~1.08)でした。
- その他健康への影響についてはファイザー製が0.99(0.97~1.02)、モデルナ製が1.05(1.02~1.08)で、そのうち、通学や業務への支障は、ファイザー製が1.04(1.01~1.07)、モデルナ製が1.08(1.04~1.12)でした。
今回の結果から、ごくわずかですが同時接種によるリスク上昇が示されており、気になる人は一定の間隔を空けてからの接種が良いかもしれませんね。
参考:Reactogenicity of Simultaneous COVID-19 mRNA Booster and Influenza Vaccination in the US | Infectious Diseases | JAMA Network Open | JAMA Network
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