小児・青少年に対するオミクロン株へのワクチン有効性
11/13/2022 10:00:03
新型コロナ
今日のポイント:青少年は小児よりも強い免疫獲得の可能性
新型コロナウイルス感染症のファイザー製ワクチンの小児・青少年への有効性を検証しました。カタールからの最新の研究報告です。(NEJM誌オンライン版、2022年11月2日)

ワクチン接種済みの全国集団と未接種の全国集団を比較するため、3つのマッチング後ろ向き標的コホート試験を実施しました。1つはオミクロン変異株優勢後の5~11歳の小児から得たデータを評価した試験で、残る2つはオミクロン変異株出現前と出現後の12~17歳の青少年から得たデータを評価しました。
- 小児において、BNT162b2ワクチン(10μg)初回接種のオミクロン変異株感染に対する有効性は、25.7%(95%信頼区間[CI]:10.0~38.6)でした。
- 有効性は、2回目接種直後が最も高く49.6%(28.5~64.5)でしたが、その後は急速に低下し、3ヵ月後にはほとんど保護効果は認められなくなりました。
- 年齢別では、5~7歳の同有効性は46.3%(21.5~63.3)で、8~11歳は16.6%(-4.2~33.2)でした。
- 青少年では、同ワクチン(30μg)初回接種のオミクロン変異株感染に対する有効性は、30.6%(95%CI:26.9~34.1)でした。
- 有効性は2回目接種後、時間経過と共に低下しました。
- 年齢別有効性は、12~14歳が35.6%(31.2~39.6)、15~17歳が20.9%(13.8~27.4)でした。
- オミクロン変異株出現前では、青少年への30μg初回接種の新型コロナウイルス感染症に対する有効性は、87.6%(95%CI:84.0~90.4)で、2回目接種後の有効性の低下は相対的に緩徐でした。
小児へのワクチン接種によるオミクロン変異株への保護効果は中程度で、2回目接種後は急速に低下し3ヵ月で保護効果がほぼ認められなくなりましたが、青少年についてはおそらく投与した抗原量が多いことから小児よりも強力で持続性のある保護効果が認められたと考えられます。
参考:Covid-19 Vaccine Protection among Children and Adolescents in Qatar | NEJM
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