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PM2.5曝露と認知症リスク

8/29/2023 10:00:04

認知症

今日のポイント:PM2.5曝露で認知症リスク増加の可能性
 

直径2.5ミクロン未満の微小粒子状物質(PM2.5)への曝露と認知症リスクの増加の関連を調べた研究を紹介します。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院からの報告です。(BMJ誌、2023年4月5日号)

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認知症リスクにおける大気汚染物質の役割の調査を目的に、文献の系統的レビューとメタ解析を行いました。成人(年齢18歳以上)を対象に長期の追跡調査を行い、1年以上の曝露を平均化し、環境汚染物質と臨床的な認知症の関連を報告した研究を対象としました。
 
・2,080件の記録から51件の研究が適格基準を満たし、メタ解析には16件が含まれました。積極的症例確認を行った研究が9件、受動的症例確認を行った研究が7件で、それぞれ4件および7件はバイアスリスクが高いと判定されました。
・PM2.5については、14件の研究がメタ解析の対象となりました。PM2.5の曝露量2μg/m3当たりの認知症のハザード比(HR)は1.04(95%信頼区間[CI]:0.99~1.09)でした。積極的症例確認を行った7件の研究では、HRは1.42(1.00~2.02)であり、受動的症例確認を行った7件の研究では、HRは1.03(0.98~1.07)でした。
・二酸化窒素10μg/m3当たりのHRは1.02(95%CI:0.98~1.06)(9研究)、窒素酸化物10μg/m3当たりのHRは1.05(0.98~1.13)(5研究)でした。
・オゾン5μg/m3当たりのHRは1.00(95%CI:0.98~1.05)(4研究)であり、認知症との明確な関連は認めませんでした。
 
以上より、PM2.5への曝露が認知症リスクの増加と関連する可能性があり、ややデータが少ないものの二酸化窒素と窒素酸化物への曝露にも同様の可能性があることが判明しました。

 
参考:Ambient air pollution and clinical dementia: systematic review and meta-analysis | The BMJ

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