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ダイエットには週何分の有酸素運動が必要?

3/4/2025 10:00:05

その他

今日のポイント:週30分の運動でも効果あり

ダイエットするにはどのくらいの時間、有酸素運動をすれば痩せられるのか調査しました。英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンからの報告です。(JAMA Network Open誌、2024年12月26日)

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研究グループは、2024年4月30日までのPubMed、Scopus、Cochrane Central Register of Controlled Trialsなどの文献から介入期間が8週間以上の無作為化臨床試験で、成人の過体重または肥満者に対する観察の下での有酸素運動の効果を評価したものについて検討し、PRISMAのガイドラインに従いました。データ抽出は2人のレビュアーからなる2つのチームが、それぞれ独立して重複して実施しました。ランダム効果メタ解析を行い、週30分の有酸素運動ごとの平均差と95%信頼区間(CI)を推定し、曲線的な関連性の形状を明らかにしました。

主要アウトカムは体重、ウエスト周囲径、体脂肪などであり、エビデンスの確実性は、GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)ツールを用いて、非常に低いものから高い確実性までの範囲で評価しました。

・成人の過体重または肥満者の合計6,880例(女性4,199例[61%]、平均年齢±SD:46±13歳)について、116の無作為化臨床試験を検討しました。
・有酸素運動を週30分行うごとに、体重は0.52kg(95%CI:-0.61~-0.44、109試験、GRADE中)、ウエスト周囲径は0.56cm減少(95%CI:-0.67~-0.45、62試験、GRADE高)、体脂肪率は0.37%減少(95%CI:-0.43~-0.31、65試験、GRADE中)していたほか、内臓脂肪組織(平均差:-1.60cm2、95%CI:-2.12~-1.07、26試験、GRADE高)と皮下脂肪組織(平均差:-1.37cm2、95%CI:-1.82~-0.92、27試験、GRADE中)も同様の結果でした。
・有酸素運動は、生活の質(QOL)の身体的側面(標準化平均差[SMD]:1.69SD、95%CI:1.18~2.20)および精神的側面(SMD:0.74SD、95%CI:0.29~1.19)の緩やかな増加と関連しました(参加者80例の試験1件、GRADE低)。
・軽度~中等度の有害事象のほとんどは筋骨格系の症状で、わずかながら事象の増加と関連していました(リスク差は参加者100例当たり2件増加、95%CI:1~2、GRADE低)。
・用量反応メタ解析により、体重、ウエスト周囲径および体脂肪の測定値は、有酸素運動の継続時間が週300分まで増加することで、直線的または単調に減少することが示されました。
・中等度~強度の有酸素運動を週150分継続することで、ウエスト周囲径および体脂肪について臨床的に著明な減少がもたらされました。

以上より、週30分の有酸素運動で、成人の体重または肥満者の体重、ウエスト周囲径および体脂肪値の減少がみられました。


参考文献:
Aerobic Exercise and Weight Loss in Adults: A Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis - PMC

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