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コロナ後の嗅覚・味覚障害は〇年で回復へ

12/17/2023 10:00:05

新型コロナ

今日のポイント:コロナ後の嗅覚・味覚障害は3年で回復へ


軽症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した後の嗅覚障害と味覚障害の回復までの時間について、トリエステ大学(イタリア)から最新の研究報告です。(JAMA Otolaryngology-Head and Neck Surgery、2023年11月9日)

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軽症のCOVID-19に罹患した88人(症例群)と新型コロナウイルスのRT-PCR検査で陰性と判定された88人(対照群)の計176人(両群ともに、試験登録時の年齢中央値49歳、女性58.0%)を対象に、試験登録から1、2、3年後の患者の自己報告による嗅覚障害と味覚障害の有病率を比較しました。なお、軽症のCOVID-19とは、臨床評価でも画像検査でも下気道疾患の所見が認められず、酸素飽和度が94%以上の場合と定義されました。
 
・症例群でのCOVID-19急性期と、罹患から1、2、3年後時点での嗅覚・味覚障害の有病率は、それぞれ64.8%、31.8%、20.5%、15.9%でした。
・症例群でのCOVID-19罹患から1、2、3年後時点での嗅覚障害の有病率は、それぞれ40.9%、27.3%、13.6%、対照群の有病率は10.2%でした。
・罹患から2年後時点での両群の絶対差は17.1%(95%信頼区間4.7〜29.4%)と有意でしたが、3年後時点での絶対差は3.4%(−7.3〜14.1%)と有意ではなくなりました。
・一方、症例群での罹患から1、2、3年後時点での味覚障害の有病率はそれぞれ26.1%、13.6%、11.4%、対照群の有病率は10.2%でした。
・罹患から2年後時点での両群の絶対差は3.4%(95%信頼区間−7.3〜14.1%)、3年後時点での絶対差は1.1%(−9.2〜11.4%)といずれも有意ではなくなりました。
 
以上より、COVID-19罹患者と非罹患者との間での嗅覚障害と味覚障害の有病率は、罹患から3年後では同等であることが明らかになりました。


参考:Olfactory and Gustatory Function 3 Years After Mild COVID-19—A Cohort Psychophysical Study | Olfaction and Taste | JAMA Otolaryngology–Head & Neck Surgery | JAMA Network

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