膀胱がんと立位
11/7/2023 10:00:05
今日のポイント:立位・補講は膀胱がんリスクを下げる
立位/歩行の身体活動と膀胱がんのリスクを調査しました。大阪大学からの報告です。(Cancer Research and Treatment誌オンライン版、2023年10月6日)
集団ベースの前向きコホート研究で、がん/心血管疾患の既往のない40~79歳の日本人5万374人について自己記入式質問票で身体活動に関する情報を取得し解析しました。Cox比例ハザードモデルを用いて、潜在的交絡因子を調整後の膀胱がん発症のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定しました。
・追跡期間中央値17.5年で、膀胱がん(男性116例、女性37例)が153例に発症しました。
・レクリエーションスポーツの参加時間が1週間に1~2時間、3~4時間、5時間以上の人における膀胱がんの多変量調整後のHR(95%CI)は、順に0.67(0.38~1.20)、0.79(0.36~1.74)、0.28(0.09~0.89)でした(傾向のp=0.017)。
・仕事での立位/歩行の身体活動は、仕事でほとんど座っている状況と比べて、膀胱がんリスクが低くなりました(HR:0.53、95%CI:0.32~0.85)。
・1日の歩行時間は膀胱がんリスクと関連していませんでした。
・膀胱がんリスクが顕著に低かったのは、男性におけるレクリエーションスポーツ(HR:0.33、95%CI:0.10~1.00)および仕事での立位/歩行の身体活動(HR:0.57、95%CI:0.33~0.98)でした。
以上より、とくに男性において、レクリエーションスポーツへの参加や仕事での立位/歩行の身体活動が膀胱がんリスクと逆相関していたことが示されました。
参考:Physical Activity and Bladder Cancer Risk: Findings of the Japan Collaborative Cohort Study (e-crt.org)
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