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世界の胃がんの大半はピロリ菌と関連

9/16/2025 10:00:00

がん

今日のポイント:世界の胃がんの4分の3はピロリ菌に関連

世界の胃がんとヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori、以下、ピロリ菌)感染の関連について調査しました。国際がん研究機関(フランス)からの報告です。(Nature Medicine、2025年7月7日)

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今回の研究では、2008年から2017年の間に生まれた185カ国の若年コホートの将来の胃がん症例数が、胃がんに対する現行の予防措置に変更がないとの仮定のもとで推定されました。この推定は、グローバルがん統計(GLOBOCAN)2022による各国の年齢別胃がん罹患率と、国連の人口動態予測に基づくコホート別死亡率を組み合わせて行われました。

・その結果、これらのコホート全体で1560万人が胃がんを発症することが推定されました。
・症例の68%(約1060万人)はアジアに集中しており、とりわけ中国とインドでの症例数が多く、全体の42%(約650万人)を占めていました。
・アジアに次いで多かったのは、南北アメリカ(13%)とアフリカ(11%)でした。
・ピロリ菌を原因とする症例は全体の76%(約1190万人)であり、そのうちの67%(約800万人)はアジアで生じていました。
・また、新規症例の58%はもともと罹患率の高い地域での症例だったが、残りの42%は人口増加などの要因により、これまで罹患率が低かった地域で生じることが予想されました。
・発症数の急増が特に大きかったのはサブサハラ・アフリカ地域であり、研究グループは、「将来的には2022年の推定発症数の6倍近くになると予測される」と記しています。

以上より、胃がん症例の4分の3(76%)はピロリ菌感染が原因と明らかになりました。


参考文献:
Global lifetime estimates of expected and preventable gastric cancers across 185 countries | Nature Medicine

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