排便と認知症の関係
7/20/2023 10:00:04
認知症
今日のポイント:少ない排便回数と硬い便は認知症リスクと関連
排便習慣と認知症との関連を調べた研究を紹介します。国立がん研究センター中央病院からの報告です。(Public Health氏オンライン版、2023年6月29日号)
介護保険の認定記録を用いたコホート研究で、JPHC研究における8地区で排便習慣を報告した50~79歳の参加者を対象に、2006~16年の認知症の発症について調査しました。生活習慣因子や病歴を考慮したCox比例ハザードモデルを用いて、男女別にハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定しました。
- 男性1万9,396人中1,889人、女性2万2,859人中2,685人が認知症と診断されました。
- 排便回数について、1回/日と比較した多変量調整HR(95%CI)は男性、女性の順で以下の通りになりました(傾向のp値:男性<0.001、女性0.043)。
2回/日以上:1.00(0.87~1.14)、1.14(0.998~1.31)
5~6回/週:1.38(0.16~1.65)、1.03(0.91~1.17)
3~4回/週:1.46(1.18~1.80)、1.16(1.01~1.33)
3回/週未満:1.79(1.34~2.39)、1.29(1.08~1.55)
- 便の硬さについて、正常な便と比較した調整HR(95%CI)は男性、女性の順で以下の通りになりました(傾向のp値:男性0.0030、女性0.024)。
硬い便:1.30(1.08~1.57)、1.15(1.002~1.32)
非常に硬い便:1.84(1.29~2.63)、2.18(1.23~3.85)
以上より、男女とも少ない排便回数および硬い便が高い認知症リスクと関連することが示されました。
参考:Bowel movement frequency, stool consistency, and risk of disabling dementia: a population-based cohort study in Japan - ScienceDirect
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