1日7,000歩で死亡リスクが半減
9/11/2025 10:00:00
今日のポイント:1日7,000歩で死亡リスクが半減
成人の1日の歩数と死亡や疾患の発症、健康アウトカムとの関連を調査しました。オーストラリア・シドニー大学からの報告です。(Lancet Public Health誌、2025年8月号)

PubMedおよびEBSCO CINAHLを用いて、2014年1月~2025年2月に発表された文献を検索しました。そのなかで、1日の歩数と死亡、心血管疾患(発症・死亡)、がん(発症・死亡)、2型糖尿病発症、認知症発症、うつ症状、身体機能、転倒との関連を検討した前向き研究を抽出しました。57研究(35コホート)が抽出され、そのうち31研究(24コホート)をメタ解析に組み入れました。1日2,000歩を対照とし、歩数増加に伴う各アウトカムのリスクの変化を評価しました。
・1日2,000歩を対照とした場合、1日7,000歩の歩行により、死亡やさまざまな疾患の発症、健康アウトカムのリスクが低下しました。
・詳細は以下のとおりです(ハザード比[95%信頼区間]、エビデンスの確実性を示す)。
死亡:0.53(0.46~0.60)、中程度
心血管疾患発症:0.75(0.67~0.85)、中程度
心血管死:0.53(0.37~0.77)、低い
がん発症:0.94(0.87~1.01)、低い
がん死亡:0.63(0.55~0.72)、中程度
2型糖尿病発症:0.86(0.74~0.99)、中程度
認知症発症:0.62(0.53~0.73)、中程度
うつ症状:0.78(0.73~0.83)、中程度
転倒:0.72(0.65~0.81)、非常に低い
・死亡、心血管疾患(発症・死亡)、がん死亡、認知症発症、転倒のリスクと歩数の関連は非線形であり、歩数増加に伴うリスク低下の効果は、1日5,000~8,000歩程度で鈍化する傾向がみられました。
・がん発症、2型糖尿病発症、うつ症状のリスクと歩数の関連は線形でした。
以上より、1日7,000歩でも死亡リスクが低下し、心血管疾患や認知症などの疾患の発症リスクも低下することが示されました。
参考文献:
Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis - The Lancet Public Health
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