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新型コロナウイルス感染症、感染から完全回復までの期間は?

9/1/2024 10:00:05

新型コロナ

今日のポイント:感染から回復までにかかった期間の中央値は20日


新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の回復期間の評価と、90日以内の回復に関連する要因を調査しました。米国・コロンビア大学からの報告です。(JAMA Network Open誌、2024年6月17日号)

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この前向きコホート研究では、1971年より米国国立衛生研究所(NIH)が参加者を登録し追跡してきた進行中の14のコホートにおいて、2020年4月1日~2023年2月28日にSARS-CoV-2感染を自己申告した18歳以上の4,708例(平均年齢61.3歳[SD 13.8]、女性62.7%)に対してアンケートを実施しました。アンケートでは回復するまでの日数を聞き、90日以内に回復した群と、90日超あるいは未回復である場合は、90日時点で未回復の群に分類しました。回復までの期間と関連する潜在的要因は各コホートから事前に選択されました。90日以内に回復しない確率および平均回復時間は、Kaplan-Meier曲線を用いて推定され、90日以内の回復と多変量調整後の関連性をCox比例ハザード回帰分析にて評価しました。

・全4,708例中3,656例(77.6%)が完全に回復し、回復までの期間の中央値は20日(四分位範囲[IQR]:8~75)でした。
・回復までの期間の中央値は、第1波(野生株)では28日だが、次第に短縮し、第6波(オミクロン株)におけるワクチン未接種者では18日、ワクチン接種者では15日でした。
・参加者の22.5%(95%信頼区間[CI]:21.2~23.7)が90日以内に回復しませんでした。オミクロン株以前は23.3%(22.0~24.6)、オミクロン株以降は16.8%(13.3~20.2)でした。
・制限平均回復時間は35.4日(95%CI:34.4~36.4)でした。
・重篤な入院での平均回復時間は57.6日(95%CI:51.9~63.3)であり、外来受診の場合は32.9日(31.9~33.9)でした。
・90日以内に回復する確率は、感染前にワクチン接種済のほうが未接種よりも高くなりました(ハザード比[HR]:1.30、95%CI:1.11~1.51)。
・90日以内に回復する確率は、第6波(オミクロン株)のほうが第1波(野生株)よりも高くなりました(HR:1.25、95%CI:1.06~1.49)。
・90日以内に回復する確率は、女性のほうが男性よりも低くなりました(HR:0.85、95%CI:0.79~0.92)。
・90日以内に回復する確率は、パンデミック前に臨床心血管疾患(CVD)を有する人のほうが、CVDがない人よりも低くなりました(HR:0.84、95%CI:0.71~0.99)。
・肥満、低体重、COPDは、有意ではないものの回復率が低くなりました。年齢、教育水準、パンデミック前の喫煙、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病、喘息、抑うつ症状との関連は認められませんでした。

以上より、感染から回復までにかかった期間の中央値は20日であるものの、90日以内に回復しなかった人が推定22.5%いたことなどが判明しました。


参考文献:Epidemiologic Features of Recovery From SARS-CoV-2 Infection | Public Health | JAMA Network Open | JAMA Network

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