イベルメクチン、コロナ重症化を抑制せず
8/30/2022 10:00:03
新型コロナ
今日のポイント:イベルメクチン、メトホルミン、フルボキサミンはコロナ重症化を抑制せず
イベルメクチンはコロナ感染症が流行した当初はその症状予防効果が注目されていましたが、実際はどうなのでしょうか?アメリカの最新の研究結果を見てみましょう。(NEJM誌2022年8月18日号)
アメリカ・ミネソタ大学主導の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験として、コロナ感染確認から3日以内、発症から7日以内の外来成人患者に対し、メトホルミン、イベルメクチン、フルボキサミン3種の薬剤の重症化予防効果を検証しました。被験者は30~85歳で、過体重または肥満の患者でした。
- 主要評価項目は、低酸素血症(酸素飽和度≦93%)、救急外来受診、入院、死亡としました。
- 合計1,431例が無作為化を受け、主要解析は1,323例を対象に行われました。
- 年齢中央値46歳、56%が女性(うち6%が妊婦)で、52%がワクチン接種歴ありでした。
- 主要複合イベント発生に関する補正後オッズ比は、メトホルミン群0.84(95%信頼区間[CI]:0.66~1.09、p=0.19)、イベルメクチン群1.05(0.76~1.45、p=0.78)、フルボキサミン群0.94(0.66~1.36、p=0.75)となりました。
上記の結果より、いずれも有意差をもって有効であるとする効果は得られませんでした。
いずれの薬剤も海外からの輸入などで手に入れる人もいますが、その場合はあくまで自己責任となり、どの薬剤にも副作用があるためコロナに対して服用する場合はそのメリット・デメリットを十分に考慮しましょう。
参考:Randomized Trial of Metformin, Ivermectin, and Fluvoxamine for Covid-19 | NEJM
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