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ワクチン接種者vs.未接種者、心筋梗塞・脳卒中リスク

8/21/2022 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:ワクチン完全接種でAMI(急性心筋梗塞)および虚血性脳卒中のリスク低下
 

コロナワクチンによる血栓症リスクを懸念されている方も多いと思いますが、今回はその不安を和らげてくれる論文を紹介します。韓国からの報告で、JAMA online版に2022年7月22日に掲載された内容です。 

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研究グループはワクチン未接種者とワクチン完全接種者(mRNAワクチンまたはウイルスベクターワクチンを2回接種)を対象に、新型コロナ感染後のAMIおよび虚血性脳卒中の発生率を比較しました。韓国の全国新型コロナレジストリ(感染と予防接種に関する)と国民健康保険公団のデータベースを使用しました。 

2020年7月~2021年12月に無症候性感染を含む新型コロナと診断された18歳以上の成人を対象にしました。主要評価項目は新型コロナの診断から31~120日後に発生したAMIと虚血性脳卒中による入院の複合アウトカムとしました。 

  • 研究期間中の新型コロナ患者59万2,719例のうち、23万1,037例が研究対象となり、そのうち6万2,727例はワクチン未接種、16万8,310例はワクチン完全接種をしていました。 
  • ワクチン完全接種者は年齢が高く併存疾患を有する者を多く認めましたが、新型コロナの重症例はみられませんでした。 
  • 複合アウトカムの発生は、ワクチン未接種群で31例、ワクチン完全接種群で74例で、100万人日あたりの発生率はそれぞれ6.18と 5.49でした。 
  • また、調整ハザード比[aHR]は0.42とワクチン完全接種群で有意に低い結果となりました。 
  • AMIと虚血性脳卒中それぞれのaHRもワクチン完全接種群で有意に低くなりました(0.48vs. 0.40)。 
  • 年齢別には、40~64歳のaHRは0.38、65歳以上では0.41でした。 

以上より、筆者らは新型コロナ感染後のAMIおよび虚血性脳卒中の発生率の増加は、血栓症のリスク増加に関連しており、ワクチンを完全接種することで感染後の二次合併症のうちAMIおよび虚血性脳卒中のリスク低下に関連していると考えているようです。 

完全接種者でAMIおよび虚血性脳卒中いずれも優位に低い結果が得られたのは、高齢者がワクチン接種を受ける際の不安を和らげる一つの要因になるのではないでしょうか。 

 
参考:Association Between Vaccination and Acute Myocardial Infarction and Ischemic Stroke After COVID-19 Infection | Acute Coronary Syndromes | JAMA | JAMA Network

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