コロナと多臓器障害
7/7/2022 10:00:02
新型コロナ
今日のポイント:呼吸器疾患、糖尿病、心血管障害の発生率が上昇
コロナ感染と入院率、死亡率、その他臓器障害の関係を調べた論文を紹介します。イギリスの国家統計局から報告された内容で、BMJ誌2021年3月31日号に掲載されました。

研究グループは、2020年8月31日までにイングランドのNHS病院から生存退院したCOVID-19患者4万7,780人(平均年齢65歳、男性55%)を対象に、イングランド住民5,000万人より過去10年の健康記録とマッチさせた対照と比較して後ろ向きコホート研究で検討しました。
主要評価項目は、2020年9月30日までの再入院率、全死因死亡率、呼吸器・心血管・代謝・腎・肝の各疾患診断率としました。以下結果です。
- 平均追跡期間は140日間、生存退院したCOVID-19患者の約3分の1(1万4,060人)が再入院し、退院後の死亡は10人に1人超でした(5,875人)
- それぞれの対照群との比較は、再入院率で4倍、死亡率で8倍となりました
- 呼吸器疾患、糖尿病、心血管疾患の診断率も、COVID-19元入院患者で有意に上昇していました
- それぞれ1,000人年当たりの診断例は770、127、126でした
以上の結果より、特に呼吸器疾患、糖尿病、心血管障害の発生率が高いとわかりました。いずれも生活の質を考えた上でも重要な疾患です。現在流行しているオミクロン株にそのまま適応できる数字ではないかもしれませんが、リスクの回避という点では参考にしたい数字ですね。
参考:Post-covid syndrome in individuals admitted to hospital with covid-19: retrospective cohort study | The BMJ
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