不思議の国のアリス症候群
3/22/2026 10:00:05
今日のポイント
→不思議の国のアリス症候群、特定の薬剤に関連
不思議の国のアリス症候群(Alice in Wonderland syndrome:AIWS)は、物体や人の大きさが変わって見える、体が宙に浮くような感覚、時間の歪みなどの視覚的・知覚的歪みを伴う神経疾患です。従来から片頭痛やてんかん発作との関連が指摘され、その後、腫瘍や感染症、さらには薬物との関連も報告されてます。
世界保健機関(WHO)の医薬品安全性データベースを解析し、AIWSを引き起こす可能性のある薬剤を調査しました。フランス・ニース大学病院からの報告です。(Psychiatry Research誌、2026年2月号)
本研究では、1967年~2024年12月15日までにWHO医薬品安全性データベースVigiBaseに登録されたAIWS症例を抽出し、小児(0〜17歳)と成人(18歳以上)に分けて不均衡分析を実施しました。AIWSと薬剤の関連性は、シグナル指標としてInformation Component(IC)と95%信頼区間(CI)を算出し、95%CIの下限値(IC025)が正の値を示す場合をシグナルが検出されたとみなしました。
・抽出されたAIWS 87例のうち、小児は26例(29.9%)で平均年齢7.1歳(標準偏差[SD] 4.0)、成人は45例(51.7%)で40.6歳(SD 13.0)でした。
・56例(64.4%)が重篤と判断されました。
・転帰が判明している症例のうち43例(79.6%)が回復または回復中であることが確認されました。
・小児群では、喘息・アレルギー治療薬のモンテルカスト(IC:3.2、95%CI:1.7~4.2)および注意欠如・多動症(ADHD)治療薬のメチルフェニデート(IC:2.3、95%CI:0.3~3.5)において有意なシグナルが検出されました。
・成人群では、抗うつ薬のセルトラリン(IC:3.4、95%CI:2.1~4.4)、抗てんかん薬のトピラマート(IC:3.1、95%CI:1.3~4.2)、抗精神病薬のアリピプラゾール(IC:3.6、95%CI:2.5~4.4)、およびモンテルカスト(IC:2.7、95%CI:0.7~3.9)に有意な関連が認められました。
・新型コロナウイルスワクチンも頻繁に報告されていましたが(17例、19.5%)、統計的に有意なシグナルは検出されませんでした(IC:0.63、95%CI:-0.26~1.31)。
・一方で、髄膜炎菌ワクチンについては有意なシグナルが認められました(IC:2.7、95%CI:1.2~3.7)。
以上より、モンテルカストやアリピプラゾール、メチルフェニデートなどの特定の薬剤がAIWSの発現に関与している可能性が明らかになりました。
参考文献:
Alice in wonderland syndrome: Down the rabbit hole of VigiBase® - ScienceDirect
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