コロナ重症化因子とは

今日のポイント：慢性腎臓病が独立した重症化リスク因子 

　コロナ陽性患者の重症化リスク因子は様々なものがあります。この「様々なもの」というのがいったい何を指すのか、漠然とわかっていそうでわからない人も多いと思います。今日はこの「様々なもの」の正体に迫ってみようと思います。

　第49回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード（令和3年8月25日）によると、各年齢群すべてで慢性腎臓病が一番のリスク因子に挙げられていました。尚、各年齢層での各重症化リスク因子保有者致死率の上位は以下の通りでした。

　複数のリスク因子が複雑にからみ合ってコロナ重症化につながっていますが、いずれの年齢層でも慢性腎臓病がトップであり、多変量解析という統計手法で独立した重症化リスク因子として挙げられています。

　私個人は呼吸器系の基礎疾患がトップになると思っていましたが、腎臓の基礎疾患の方が重症化リスク因子と考えられているようです。こういったところに統計データのすごさを感じます。
今後腎臓病とコロナ感染症の詳しいメカニズムが研究され、重症化抑制の一助になることを期待しています。


参考： 新型コロナウイルス感染陽性者の重症化リスク因子への対応等 (mhlw.go.jp)