コロナワクチンと低用量ピル
12/4/2021 10:00:00
今日のポイント:コロナワクチン+低用量ピル→血栓症リスク増加しない
避妊や生理痛などの症状緩和のために低用量ピルを内服している人からこんな質問をいただきました。「ピルの副作用で血栓症がありますが、コロナワクチン接種でさらに血栓症のリスクが高くなりますか?」日常的にピルを服用している女性も多いため、このような心配をされている方もいらっしゃいますよね。今日はこの疑問に答えていきます。

結論を先に述べますが、現状日本で「血栓症のリスクが増加する」とする報告や統計データはありません。
2021/10/05現在、日本で主に使用されているワクチンはファイザー/ビオンテック製またはモデルナ製です。この2社のワクチン接種で血栓症が増加するというデータは存在しません。血栓症が問題となったのはアストラゼネカ製のワクチン(ウイルスベクターワクチン)で、これはファイザー/ビオンテック製、モデルナ製のワクチン(ともにmRNAワクチン)とそもそも別物のワクチンです。
また、アストラゼネカ製のワクチンが原因で起こる血栓症の原因とピルが原因で起こる血栓症のメカニズムは全く異なります。具体的には、アストラゼネカ製のワクチンが原因で起こる血栓症は「血小板減少症を伴う血栓症」という非常に特殊なタイプの血栓症であり、一方でピルが原因で起こる血栓症は「血液凝固因子の産生亢進や抗凝固系を抑制」することで発生するタイプの血栓症です。
若い人のコロナワクチン接種が今後も増えてくると思います。心配が強い方や他に疑問のある方はピルを処方してくれているかかりつけ医や信頼できる医師に詳しく聞いてみるのが良いと思います。健康状態なども踏まえて適切なワクチン接種の時期をアドバイスしてくれるでしょう。
参考:
この記事が気に入ったらいいね・シェア!↓