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ブースター接種による入院予防効果

10/13/2022 10:00:03

新型コロナ

今日のポイント:ブースター接種により入院予防効果あり、経時的には入院予防効果減少
 

新型コロナワクチンのブースター接種と経時的な入院予防効果の関係を調べたシカゴ大学の論文を紹介します。初回ワクチン接種(2回接種)とブースター接種(3回目)でのコロナによる入院割合について調べました。(2022年9月23日、JAMA誌オンライン版)

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2021年10月1日~2022年7月26日に入院し新型コロナワクチンを2回または3回接種(ブースター接種)していた、米国西部6州の成人データを用いてケースコントロール研究を実施しました。研究には、新型コロナと最終診断、症候性で新型コロナ核酸増幅検査 陽性、レムデシビル/デキサメタゾンによる治療を受けていた患者を組み入れました。
 
条件付きロジスティック回帰分析にて、新型コロナの入院に関連する因子を特定しました。また、2回目およびブースター接種後の経過時間による入院のオッズを見るために、ブースター接種者と2回接種者での新型コロナによる入院のオッズを計算しました。

  • 新型コロナで入院した3,062例 (平均年齢±SD:70.8±15.4歳)のうち男性は52.6%、ブースター接種済み者は34.7%でした。
  • 一方で、対照群1万2,248例(平均年齢±SD:67.1±18.2歳)のうち46.7%が男性で、49.3%はブースター接種済みでした。
  • 新型コロナによる入院のオッズが増加する要因として、70歳以上、男性、認知機能障害、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、免疫不全、肥満、リウマチ性疾患、移植、ファイザー製ワクチンが関連しました。
  • 多変量解析の結果、ブースター接種は新型コロナによる入院オッズの低下と関連し、ブースター接種群:34.7% vs.対照群:49.3%でした(調整済みオッズ比[OR]:0.41[95%信頼区間[CI]:0.37~0.46])。
  • 入院のオッズはブースター接種からの時間経過でも異なり、 50日未満では調整済みOR:0.24(95%CI:0.18~0.30)、50~100日は同:0.24(95% CI:0.20~0.29)、101~150日は同:0.47(95%CI:0.38~0.58)、150日以上は同:0.72(95%CI:0.61~0.84)でした。

 
以上のように、ブースター接種により入院予防効果を高めることが分かりましたが、経時的にはその予防効果が落ちることも示されました。


参考:Odds of Hospitalization for COVID-19 After 3 vs 2 Doses of mRNA COVID-19 Vaccine by Time Since Booster Dose | Infectious Diseases | JAMA | JAMA Network

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