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炭水化物と糖尿病予後

6/8/2025 10:00:00

その他

今日のポイント:炭水化物を減らすと2型糖尿病患者の予後が改善

2型糖尿病患者における食事の栄養素と予後との関連性を調査しました。順天堂大学からの報告です。(Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism誌オンライン版、2025年3月21日)

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2型糖尿病患者を対象に、食事の栄養素を含むさまざまな生活習慣と心血管イベントや死亡リスクとの関連性を、最大10年間にわたって前向きに調査しました。対象は、順天堂大学医学部附属順天堂医院などの医療機関に通院中で、心血管イベントの既往がない2型糖尿病患者731例でした。試験開始時、2年後、5年後に食事、身体活動量、睡眠時間、睡眠の質、生活リズムなどのさまざまな生活習慣を質問紙を用いて聴取し、各生活習慣スコアの平均値を算出しました。多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、各生活習慣と主要アウトカム(心血管イベントまたは全死因死亡)との関係性を解析しました。

・参加者の平均年齢は57.8±8.6歳、男性が62.9%、平均BMIは24.6±4.1kg/m2でした。
・平均追跡期間は7.5±2.4年で、55例(7.5%)で主要アウトカムが発生しました。
・炭水化物の摂取割合が高いほど主要アウトカムのリスクが高くなりました(ハザード比:1.06、95%信頼区間:1.02~1.10、p=0.005)。
・炭水化物摂取量を減らし、動物性のタンパク質や脂質を増やすほど、主要アウトカムのリスクが低くなりました。
・飽和脂肪酸の摂取割合が高いと主要アウトカムのリスクが低くなりました。

以上より、炭水化物の摂取割合が高いほど心血管イベントや死亡のリスクが増大し、炭水化物を減らして動物性のタンパク質や脂質の摂取を増加させるとそれらのリスクが低減することが明らかになりました。


参考文献:
Relationship of Carbohydrate Intake Proportion to Cardiovascular Events in Japanese People With Type 2 Diabetes Mellitus | The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism | Oxford Academic

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