コロナパンデミック中の長期抑うつ症状
8/23/2022 10:00:00
新型コロナ
今日のポイント:コロナパンデミックで抑うつ症状増加
コロナパンデミックにより孤独感を強く感じる人が増えているようです。今回はイギリスから抑うつ症状と予測因子を明らかにした研究を紹介します。(Evidence-Based Mental Health誌オンライン版2022年7月28日号)

2020年5月、9月/10月、2021年2月/3月の各パンデミックにおけるデータをイギリスの4つのコホート研究(MCS、NSコホート、BCS、NCDS)より収集しました。対象は1万6,978人であり、平均年齢はコホート研究別にそれぞれ20歳、30歳、50歳、62歳でした。主要評価項目は、自己報告による抑うつ症状としました。
- すべてのパンデミック期間において、若年者は高齢者よりも抑うつ症状を有する割合が高くなりました。
- 抑うつ症状は、2020年5月~9月/10月では全体的に安定していましたが、2020年5月~2021年2月/3月ではすべての年齢層において増加が認められました。
- 孤独感は、すべてのコホート研究で抑うつ症状増加の最も強力な予測因子であり、相関が確認されました。
- パンデミック前のメンタルヘルスの問題や長期罹患は、すべての年齢層において抑うつ症状の増加と有意な関連が認められました。
- ソーシャルディスタンスの順守は、抑うつ症状増加の予測因子ではありませんでした。
以上より、孤独感と抑うつ症状は強く関連があり、社会とのつながりの大切さを改めて認識しました。
参考:Predictors of longer-term depression trajectories during the COVID-19 pandemic: a longitudinal study in four UK cohorts | Evidence-Based Mental Health (bmj.com)
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